胃がんのステージ(病期)と生存率
胃がんの進行度はステージ(病期)で表示されます。主に治療方針を決めるために使われ、深達度(深さ)や転移の状況が基準です。ステージによって、その後の生存率は大きく変わってきます。
胃がんの進行度はステージ(病期)で分類
胃がんのステージは1の初期から4の末期までの4段階が基本です。大まかな区分は以下のとおりです。
ステージ1:がん到達が固有筋層まででリンパ節転移が2個まで
ステージ2:がんが漿膜外面に出てリンパ節転移が3個以上
ステージ3:がんが隣接臓器に浸潤
ステージ4:がんが遠隔臓器に転移
ステージを決める要素は、胃壁内と外部への深達度(T)・リンパ節への転移数(N)・遠隔臓器への転移の有無(M)の3つで、これらの組み合わせで区分されます。
胃がんのステージ別生存率
胃がんは進行した状態で見つかるほど急激に生存率が低下します。ステージごとの5年生存率は以下のとおりです。
ステージ1:92.8%
ステージ2:66.6%
ステージ3:41.4%
ステージ4:6.7%
ステージ1は転移がリンパ節2個に留まる段階で、治療成績は良好です。しかし、がんがステージ2からステージ3と進むにつれて生存率は急速に悪化します。遠隔転移した末期のステージ4ではわずか6.7%です。
胃がん末期の治療法
胃がんが末期のステージ4に達すると、根治手術は難しいと判断されることが多いです。理由は、がん病巣が広範囲に及び、完全切除が困難であるためです。ほかの治療によって病状が改善すれば、場合によっては手術が可能になることもあります。
化学療法
遠隔転移がある末期の胃がん治療では、化学(薬物)療法が中心です。化学療法に使用する薬物には、以下のような種類があります。
細胞障害性抗がん薬:がん細胞の増殖抑制と攻撃
分子標的薬:がん細胞の増殖に関与する細胞を標的に攻撃
免疫チェックポイント阻害薬:がん細胞が免疫細胞の攻撃性を抑制するのを防ぐ
これらの薬剤を単独または組み合わせて使います。治療は薬剤を変えながら、一次・二次・三次と波状攻撃を繰り返す方法です。まず一次治療を始め、効果が薄れたり副作用が強くなったりすれば薬剤を変えて二次治療を始めます。
放射線治療
胃がんには放射線の効果が限定的であるため、末期の胃がんに対する放射線治療は根治を目的とせず、症状緩和のために行われます。
がん病巣のために食物が通らないとか痛みが強い場合に、放射線で病巣を縮小させて症状を緩和します。
治療後、重篤ではありませんが副作用がおこる場合があります。倦怠感・食欲低下・嘔吐・腹痛・下痢などの症状です。
緩和手術
緩和手術は治癒が望めない末期がんに対して行われます。胃がん病巣からの出血や消化管の狭窄がある場合に行い、目的は切迫した状況の改善です。
問題なく切除できる場合は胃を切除しますが、そうでない場合はバイパス手術になります。手術で狭窄などが改善できれば生活の質の向上が望め、良好な予後が期待できます。
対症療法(緩和ケア)
胃がん末期では対症療法がより重要です。患者さんの多くに苦痛があり、だるさ・下痢・吐き気などに耐える日々が続きます。こうした身体のつらさには、対症療法による緩和ケアが行われます。
また、精神的な不安感も大きくなるため、気持ちのつらさに対する専門的な緩和ケアも必要です。がん診療連携拠点病院にはケアのための支援センターとチームが設置され、緩和ケアを行います。

