
漫画「ある男の子のお世話係になった話」のカット(yamamiiさん提供)
yamamiiさんの漫画「ある男の子のお世話係になった話」(全3話)がインスタグラムで合計3000以上の「いいね」を集めて話題となっています。
小学3年のとき、クラスに暴れる男の子がいました。担任はその子をベランダに出したのですが、その姿を見たクラスメイトの女の子が…という内容で、読者からは「この先生は教育者失格ですね」「男の子にとって救いの存在だったんじゃないかな」などの声が上がっています。
「動いて正解だった」いま振り返る、当時の行動
yamamiiさんは、インスタグラムとブログ「再構築夫婦の漫画ブログ」でエッセー漫画などを発表しています。2025年5月に『浮気公認夫婦です。私たちの歪んだ結婚生活』(竹書房)を出版しました。yamamiiさんに作品について話を聞きました。
Q.このエピソードを漫画にしようと思った理由を教えてください。
yamamiiさん「この作品の前に、小3のときの担任の話を描いたことがきっかけです。親と生徒の前では態度がまったく違った担任のことを思い出していたら、この男の子とのことが頭に浮かんできたので描いてみました」
Q.この男の子とは、以前から親しかったのですか。
yamamiiさん「いいえ、小学3年のこのクラスで初めて一緒になりました。よく先生に怒られたり、友達とトラブルになっていたりして、悪い意味で目立っていましたね。友達と遊んでいるところは、あまり見たことがありませんでした」
Q.先生が「責任を持って」と言ってきたとき、当時はどう思いましたか。
yamamiiさん「正直、ムカつきました(笑)。でも先生の言うことも一理あると感じましたね。どんなことに対してもそうですが、『一度手を出したなら最後まで責任を持つべき』だと私は思います」
Q.大人になってこの出来事を振り返ったとき、先生、本人、自分のとった行動に対して、思うことはありますか。
yamamiiさん「先生はその後クビになったのですが、先生に対しては『クビになってくれて本当によかった』と思います。実はこの先生は、知的障害のある私の弟の担任も務めたことがあるのですが、『こんな簡単なこともできないのか! お前はバカだな!』など、ひどい言葉を浴びせていたそうで…。おかげでその年、弟は不登校になりました。先生に会うのが怖くて、毎朝体調を崩していましたね。毎日小学生の相手をしてイライラするのも分かりますが、『教師として大人として、子どもに対してその態度はいかがなものか?』と思いますね。
男の子に関して思うことは、恐らく『発達グレー』だったんじゃないかなあと。当時は支援級に通う人はなかなかいませんでしたからね…。適切な環境で過ごしてほしかったなと思います。
また自分に関しては、『あそこで動いて正解だった』と思っています。お世話係となってしまいましたが、そのおかげで多少は男の子の手助けができたんじゃないかなと。今も元気に過ごしていることを願います」
