猫の「心が疲れている」ときにみせる5つのサイン
1.食欲不振
心が疲れている猫は、普段大好きなおやつやフードにも興味を示さなくなり、食事量が目に見えて減少することがあります。
単なるわがままや偏食ではなく、特に体調不良のサインが見られないにも関わらず、食欲が落ちた状態が続く場合は、精神的な負担が原因である可能性も疑う必要があります。
逆に、過食に走る猫もいるため、食事習慣全般の変化に注意を払うことが大切です。急激な体重減少は深刻な健康問題にもつながるため、食欲不振が続く場合は速やかに獣医師に相談するようにしましょう。
2.過度なグルーミング
本来、猫のグルーミングはリラックス効果をもたらしますが、過度なグルーミングは強いストレスの表れです。
特定の部位を執拗に舐め続けたり、毛が薄くなるほど噛んだりする行為は心因性の皮膚炎(心因性脱毛症など)を引き起こすことがあるので注意しましょう。
ストレスや不安を感じた際、その不快感を打ち消すための転位行動として、この行為が強化されると考えられています。
飼い主が気付かないうちに、猫が自分自身の体を傷つけている状況は、心の疲弊度が非常に高い可能性を示しており、環境の見直しや早期の行動学的アプローチが必要となります。
皮膚疾患でも同様のことが見られるため病気の可能性なのか、継続的な異常行動なのかを見極めることが重要です。
3.隠れる・逃げる
心が疲れている猫は、安心できる場所(押し入れの奥や家具の隙間、ベッドの下など)に長時間こもり、飼い主や他の同居動物との接触を避けるようになります。
これは、外界の刺激から自身を隔離し、安全を確保しようとする防衛本能の現れです。特に来客や騒音、環境の変化などのストレスがあった後に顕著になります。
普段は人懐っこい猫が、呼んでも出てこない、触ろうとするとすぐに逃げる、食事やトイレの時以外は姿を見せないといった状態が続く場合、心に大きな負担がかかっているのかもしれません。
無理に引っ張り出そうとせず、猫が自ら出て来れるよう環境を整えることを心がけましょう。
もちろん病気の際にも同様な行動をするため他の症状がないかもしっかり確認しましょう。
4.攻撃的になる
心が疲弊している猫は、イライラや不安が閾値を超え、急に攻撃的な行動を示すことがあります。これは、「これ以上近づかないでほしい」「もう限界だ」という強い拒絶の意思表示です。
具体的には、唸り声や威嚇、猫パンチや噛みつきといった行動が、以前は見られなかったシチュエーションで突如として現れます。
撫でていた途端に噛みつく(過剰接触による刺激過多)、他の猫や家族に対して頻繁に威嚇する、あるいは触ろうとする手に対して過敏に反応するといった行動は、ストレスによる神経の過敏状態を示している可能性があります。
この場合、猫との接し方を根本的に見直し、猫が安心できる距離感を保つことが重要です。
5.鳴き声の変化や無気力
ストレスや心の疲れが慢性化すると、普段とは異なる鳴き方をしたり、活動性の低下が見られたりします。
鳴き声の変化としては、甲高く不安げな鳴き声が増える、逆にほとんど鳴かなくなる、あるいは夜間に意味もなく大きな声で鳴き続ける(夜鳴き)などが挙げられます。
無気力な状態では、遊びへの関心が失せ、ほとんど動かずじっとしている時間が増加します。高いところへ登らなくなる、おもちゃを追いかけなくなるなど、以前楽しんでいた活動をしなくなるのが特徴です。
これは人でいううつ状態に近い心の状態の可能性があり、単なる老化と見過ごさず、積極的に猫の心に寄り添った対応が求められます。
見逃せない仕草とストレスの原因
猫の心の疲れのサインは非常に些細で、飼い主が日常的に注意を払わなければ簡単に見過ごされてしまいます。
特に、「隠れる」「静かになる」といった行動は「おとなしい」と誤解されやすいため、猫が自発的に活動を停止している状態だと認識することが重要です。
見逃せない仕草としては、耳が横に倒れる「イカ耳」や、ひげが顔に張り付く、瞳孔が散大するといった身体的なサインのほか、トイレの失敗や飲水量の変化も心の不調と密接に関係している場合があります。
猫の主なストレス源は、環境の変化(引越し、家具の配置換え)、家族構成の変化(新しいペットや人間の増加)、騒音、飼い主からの過剰な干渉、そして運動や遊びの不足による満たされない狩猟本能などがあります。
これらの原因を特定し、できる限り取り除くことが、心の健康を回復させる第一歩となるでしょう。

