自民議員が事実誤認で謝罪へ
自民党の国光あやの衆議院議員(外務副大臣)が2025年11月上旬、X(旧Twitter)で国会質問通告のルールを「前々日の正午まで」(いわゆる「二日前ルール」)とし、野党批判につながる投稿を行ったことで、大きな波紋を広げました。
この投稿には、以下の二つの事実誤認が含まれていました。国光氏は11月10日夕方、投稿を謝罪・削除しましたが、SNS上の混乱は続いています。
一つ目は、ルール変更の誤認です。国会ルールは既に「速やかな質問通告に努める」に変更されており、「前々日正午」は旧ルールだった点。
二つ目は、通告状況の誤認です。 批判の対象となった会期中、今回は野党にも通告の遅れがなかった点。
この騒動は、明確なルールを避けて「言わずもがな」を求める日本型の「忖度ルール」が、いかにネガティブな結果を生むかを露呈しました。国民民主党の玉木雄一郎代表からは「立憲民主党も実は『2日前』と政策集に書いてあるではないか」との指摘も出ており、国会運営における「ネガティブな日本らしさ」が浮き彫りになっています。
26年前に廃止となっていた「二日前ルール」
国光議員の謝罪の直接的な原因となったのは、国会申し合わせの変更に関する事実誤認でした。
かつて国会質問通告のルールは、平成11年(1999年)に「原則として前々日の正午までに通告」と明確にされていました。しかし、官僚の働き方改革を進める目的で、この具体的な時間を示す文言は撤廃されました。現行ルール(平成26年以降)は「速やかな質問通告に努める」に緩和されているそうです。
国光議員がこの既に消えていた旧ルールを現行のものとして引用し、野党批判につながる「ルール違反」の指摘を行いましたが、与野党間の公的な申し合わせの事実に基づかないものでした。政府の木原稔官房長官(当時)もこの点を認め、「事実誤認」として注意しています。
さらに、国光議員の投稿は、今回の会期中の通告実態を誤解させるものでした。国光議員の投稿は、以前から質問通告の遅れが指摘されることの多かった野党(立憲・共産)を念頭に置いたものとみられます。しかし、今回の11月7日の衆院予算委員会に関しては、立憲民主党を含む全党が前日(6日)の正午頃までに通告を完了しており、遅れは一切なかったということ。

