●クマによる被害を避けるポイント
クマによる被害が増えている背景には、いくつかの要因がある。
どんぐりの不作や、クマが農作物・生活ゴミの味を覚えて人里に近づくようになったこと、そして「里山」と呼ばれる緩衝地帯が減少していることなどだ。

人とクマの距離が近づく今、被害を防ぐには「遭遇前」「遭遇時」「至近距離」という3つの場面ごとに冷静な対応を心がける必要がある。
環境省は、次のように行動のポイントを示している。
(1)遠くにいるクマに気づいたとき
静かにその場を立ち去る。
急に大声を上げるなどをすることはクマを驚かせるため危険だ。
(2)近くにいるクマに気づいたとき
落ち着くことが大切だ。
クマが気づいて向かってきて、 本気で攻撃するのではなく、すぐ立ち止まっては引き返す行動を見せる場合もある。この時は、落ち着いてクマとの距離をとるとクマの方から離れることも多い。ただし、背中を見せて逃げ出すと攻撃性を高める場合があり、クマを見ながらゆっくり後退する、静かに語りかけながら後退する、など落ち着いて距離をとるようにする。
(3)至近距離で遭遇したとき
クマによる攻撃などの危険が高い。
クマ撃退スプレーの使用やうつぶせになり頭や首を手で覆う防御姿勢をすることで、被害を最小限にすることができる。

