甘くなかった現実
しかし、現実は甘くありませんでした。
彼の将来の展望はなかなか見えず、私たち二人の生活のリズムも少しずつ合わなくなっていきました。
やがてすれ違いが大きくなり、お互いの気持ちが離れていくのを感じました。
そして、別れは避けられないものとなってしまったのです。
悔しくて、切なくて、別れたあとはしばらく泣き暮らし、深く落ち込んだものです。
失恋がくれたもの
それでも不思議と後悔はありませんでした。
もしあのとき、親の言葉に従って別れていたら、私はきっと一生「あのとき別れなければ、どうなっていたんだろう……」と、未練を引きずっていたはずだからです。
自分で選び、自分で失敗した。
その経験が、私の芯を強くしてくれました。
恋の結末は親の予想通りだったけれど、そこで得たものは、親の言葉だけでは絶対に手に入らなかった、かけがえのないものでした。
今になって振り返ると、あの恋は失敗ではなく、むしろ私にとって必要な通過点だったと思えます。
自分の気持ちを信じて挑んだ時間こそが、今の私をつくっている。
あのとき泣いた自分に「よくやった」と言ってやりたい気持ちでいっぱいです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

