
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
ストレス性胃炎の概要
ストレス性胃炎は、ストレスを原因として胃の粘膜に炎症をきたす疾患です。
胃炎は「急性胃炎」と「慢性胃炎」に大別されます。このうち急性胃炎は短期間のうちに発症するものを指し、ストレスが原因となることがあります。
胃には、食べたものを消化する胃液と、胃酸などの刺激から粘膜を保護する粘液が存在し、それぞれがバランスを保つことで正常に機能しています。しかし、ストレスなどを受けて自律神経やホルモンバランスに乱れが生じると、胃の粘膜が障害されて胃炎を発症することがあります。
脳と胃は離れた臓器であるものの、自律神経を介して密接につながっています。自律神経は意思とは無関係に働き、常に身体の状態を正常に保つよう機能しています。
例えば、自律神経には、飲食をした際に胃の動きを活発にし、消化を促す働きなどがあります。しかし、疲労などの身体的ストレスや人間関係などの精神的ストレスを受けると、自律神経が乱れて、胃酸が過剰に分泌されるなど胃の粘膜に炎症をきたすことがあります。
また、胃の動きはホルモンバランスによっても影響を受けます。ストレスを感じると種々のホルモンが分泌され、その結果胃の動きを亢進させ、同様に胃の粘膜を傷つけることがあります。
ストレス性胃炎を発症すると、胃もたれやむかつき、痛みなどさまざまな自覚症状が現れます。
近年は「ストレス社会」とも呼ばれ、現在人はストレスを抱えやすい傾向にあるため、適度に休息を取るなどしてストレスに対処することが重要です。

ストレス性胃炎の原因
ストレス性胃炎では、さまざまなストレスが原因になります。
疲労や睡眠不足のほか、心筋梗塞などの疾患やケガなどが身体的ストレスとなるケースもあります。
また、人間関係、職場環境、家族との離別などの精神的ストレスのほか、幼少期の心理・社会的経験が成人になってもストレスとして知覚されているケースや、被災による精神的・肉体的ストレスによって胃の不快感を自覚することもあります。
何らかのストレスを受けると、身体では自律神経やホルモンバランスに悪影響が及びます。ストレスによって自律神経が乱れると、胃の動きが亢進したり胃酸が過剰に分泌されたりして胃の粘膜が傷つき、胃炎を発症することがあります。
また、ストレスを受けると脳から「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)」が分泌され、同様に胃の動きを亢進させることもあります。その結果、胃の粘膜が傷ついたり炎症を起こしたりして胃炎を発症する原因になります。

