一枚の紙が明かした真実
ある日、偶然見つけたのは
“D判定・要精密検査”と書かれた健康診断の紙。
「え?」
思わず手が震え、 頭の中が真っ白になりました。
「これ、どういうこと?」
問いただすと、夫は黙って俯いたまま。
そして静かに語り始めました。
同期の過労死を目の当たりにし、自身も体調に異常を抱えていたこと。
あの深夜のPC作業は、家族のための転職活動だったこと。
「お前と子どもたちのために、まだ死ねないんだ!」
そう言って涙ぐんだ夫の姿。
結婚以来、初めて見る涙でした。
A子さんの目からも、涙があふれました。
「夫婦なんだから、相談してよ……こんな大事なこと、なんで一人で抱え込むのよ」
本当に大切なもの
転職後、収入は減りました。
でも夫の表情は、どこか穏やかで幸せそう。
今では自分の時間を持てるようになり、
副業のための学習を始め、夫婦で毎日が充実しています。
あの日、A子さんは「本当に大切なもの」に気づかされました。
夫と子どもたちが笑顔でいられる毎日。
それが何よりの宝物なのだと。
【体験者:30代・女性パート、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。

