「足が蒸れて臭いが気になる」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。その臭いの原因は、点状角質融解症の可能性があります。
点状角質融解症は夏に起こりやすい皮膚の病気の1つです。聞き慣れない病名かもしれませんが、決して珍しい病気ではありません。
しかし、珍しい病気ではないものの原因や具体的な症状を知らないという方も多いでしょう。原因を知っておくことで、適切な予防ができるのがこの病気の特徴です。
この記事では点状角質融解症の治療方法や予防方法について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『夏に発症しやすい「点状角質融解症」はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
点状角質融解症の治療方法や予防方法

点状角質融解症は完治しますか?
点状角質融解症は、適切な治療を受ければ治る病気です。強い臭いも特徴的な症状の1つで、家族や周囲の人から指摘されて辛い思いをする方も珍しくありません。しかし、その症状はずっと続くわけではないので安心してください。
市販の薬を使うと、薬が合わない場合に治らないどころか悪化するリスクがあります。辛い症状を我慢せず、皮膚科を受診するところから始めましょう。
点状角質融解症の治療方法を教えてください。
点状角質融解症の治療には、細菌と闘うための抗菌薬を用います。塗り薬として「エリスロマイシン」や「ナジフロキサシン」などの抗菌薬が処方されるため、容量・用法を守って患部に塗ってください。
症状の程度によって異なりますが、多くの場合1日1〜2回塗ることになります。薬を塗る際には、清潔な肌に塗ることが大切です。石鹸を使って丁寧に洗い、清潔な状態にしてから塗りましょう。
点状角質融解症には抗菌薬が効きますが、抗真菌薬を塗っても改善しません。それは、原因が真菌ではないからです。
「水虫だろう」という自己判断で市販の水虫の薬を塗る方もいるでしょう。もし点状角質融解症であれば、いくら水虫の薬を塗り続けても原因が真菌ではないため症状の改善は見込めません。市販の水虫の薬でなかなか治らないと思ったら、皮膚科を受診することをおすすめします。
処方された塗り薬を容量・用法を守って塗れば、1〜2週間ほどで症状が改善する方が多いです。皮膚への直接的な治療ではありませんが、普段使用している靴下を熱湯で洗うのも効果的といわれています。
点状角質融解症を予防する方法はありますか?
原因となる細菌は高温多湿を好むため、その環境を作らないことが1番の予防になります。足の裏は汗をかきやすく、梅雨の時期や夏場は特に注意しなければなりません。靴下の中が蒸れたと思ったら早めに交換し、湿潤環境を放置しないようにしましょう。
汗の多さや蒸れを自覚されている方は、靴下を何枚か持参してこまめに交換することをおすすめします。また、帰宅後はすぐに靴下を脱いで足を洗うことで細菌が好む環境を避けることができます。
足の皮膚の清潔と乾燥を心がけましょう。吸湿性のある綿素材の靴下も、足の蒸れ予防におすすめです。仕事で長靴や作業靴を履く場合は、靴の中が蒸れやすいことにも気をつけましょう。
長時間履いたままにしたり湿った状態のままにしたりせず、適度に乾燥させるようにすることが大切です。水分で靴の中が濡れたままの状態だと、さらに蒸れやすくなります。
濡れた靴を放置せずにしっかりと乾かすことも、予防には大切です。可能であれば、汗をかきやすい時期はつま先の開いた靴やサンダルを活用することをおすすめします。
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
梅雨や夏場に足に汗が蒸れやすいという方は多いのではないでしょうか。蒸れた足をそのままにしておくと、発症のリスクを高めてしまいます。
梅雨の時期は洗濯物が乾きにくいですが、生乾きの靴下を履かないことも大切です。雨で濡れた靴も、しっかりと乾かしてから履くようにしてください。
点状角質融解症は足に小さな穴ができるだけでなく、臭いや痛みといった辛い症状が現れます。足の臭いはコンプレックスになることも多く、周囲の人から指摘されるのは辛いものです。
しかし、点状角質融解症は予防可能な皮膚疾患です。「足が蒸れやすい」と自覚している方や、汗をかきやすい仕事をしている方は特に足の清潔に注意してください。
「きっと水虫だ」「そのうち治るだろう」と自己判断をせず、気になる症状があれば皮膚科を受診しましょう。
編集部まとめ

点状角質融解症はあまり聞き慣れない病名かもしれませんが、実は多くの方に起こりうる皮膚の病気です。
足の裏の皮膚に小さな穴ができる・強い臭いを発する・痛みがあるなど、特徴的な症状があります。
点状角質融解症と間違われやすいものに水虫がありますが、原因も治療方法も異なります。
水虫との鑑別のためにも、気になる症状があればまずは皮膚科を受診してください。
医師に処方された外用薬をしっかりと塗ること、そして足の清潔を保つことで完治が見込めます。
足が蒸れやすいという方は、靴下をこまめに交換したり足をしっかり洗ったりすることで清潔を保ちましょう。
参考文献
点状角質融解症|Medical Note
夏に水虫と間違われる足の病気、点状角質融解症(Pitted keratolysis)|医療法人順晴会うちだ皮膚科クリニック

