手軽にたんぱく質が摂れる!物価高で注目の「ちくわ」と「カニカマ」

手軽にたんぱく質が摂れる!物価高で注目の「ちくわ」と「カニカマ」

手頃な価格を維持する練り製品


一方、魚肉練り製品は相対的に価格上昇が抑えられています。ちくわの小売価格は2015年の102円から2024年(年平均)で135円、2025年1-8月平均で133円へと推移。鶏肉は2015年の136円から2025年1-8月平均で151円へと上昇しており、ちくわは一貫して鶏肉より安い価格を維持しています(※3、※4)。


一方、練り製品業界も厳しい状況にあります。原料のすけとうだら漁獲量は2015年から2024年にかけて31.5%減少し(※5)、すり身価格は2025年に前期比10%以上の値上げ(3期連続上昇)。最低賃金の上昇(全国平均時給1,118円、前年比+6%)や資材費・物流費の高騰も追い打ちをかけています(※6)。それでも調理の手軽さと栄養価の高さから、手頃なタンパク源として再評価されています。

カニカマ・ちくわ検索が8割以上増加


クックパッドの検索データは、この変化を明確に示しています。「ちくわ」の検索SI値は、2015年の3.38から2025年10月には6.24へと1.85倍に、「カニカマ」の検索SI値も1.49から2.63へと1.77倍に増加しています(※1)。

「サラダ」「ナムル」「炊き込みご飯」──用途の多様化


価格の手頃さだけでなく、使い方の広がりも検索増加の背景にあります。ちくわの組み合わせメニュー検索では「磯辺揚げ」が1位を維持しつつ、「サラダ」が2022年に2位に浮上し、「ナムル」が2025年に11位で初登場しました。カニカマも「サラダ」が定番の1位を維持する一方、2025年には「炊き込みご飯」が19位に初ランクインしています。(※1)。

実際、クックパッドに投稿されたレシピへの「つくれぽ(作りましたフォトレポート)」を分析すると、ユーザーの柔軟な活用ぶりが浮き彫りになります。「お弁当の隙間に」「あと1品がササッと作れて助かる」といった時短ニーズに加え、「ピーマン追加で」「カレー味にアレンジ」「カニカマの代わりにちくわで」など、手持ちの食材に合わせた工夫が多数報告されています。「リピです」「定番になりました」という声も目立ち、一時的なブームではなく日々の食卓に定着していることがうかがえます。

ちくわ・カニカマが活用される背景の一つに、時短ニーズの高まりがあります。総務省統計局「社会生活基本調査」によれば、25〜54歳の仕事を持つ世帯の食事管理時間は、2016年の82分から2021年には72分へと約10分短縮(※7)。共働き世帯が7割を超える現代(※8)、包丁不要で調理できる練り製品は忙しい家庭の強い味方です。

市場データが裏付ける成長

検索データの増加は、実際の市場動向とも一致しています。食品需給研究センター「食品生産流通統計」によると、2025年1〜8月の練り製品生産量は約26万トンで前年同期比13.1%増でした。

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クックパッドニュース

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