
大坂・関西万博展示風景
Wabunka Projectは、9月29日(月)、大阪・関西万博「シン・オンナ展」Vision’s Woman 2025にて“親子アーティスト”を公式発表した。母親の中橋治美さんと小学校5年生の息子・隆廣さんが挑んだ初展示は大きな反響を呼び、さらに隆廣さんは「第11回MOA美術館港区児童作品展 絵画の部」にて銅賞を受賞。表彰式は10月26日(日)13:30〜、港区立男女平等参画センターリーブラホールにて開催された。
“苦手”から始まった親子アーティスト

親子アーティスト 中橋治美さん・中橋隆廣さん
親子アーティストは、親と子が共に楽しむ“期間限定ユニット”。活動の原点には2つのルールがある。1つは「どちらかが辞めたいと言えば即解散」。もう1つは「反抗期も、日常の笑顔も、すべてがかけがえのないアートになる」だ。
隆廣さんは発達障がいもあり、書くことが苦手で、幼い頃は○や△すら描けなかった。小学校3年の夏休みの宿題でも、絵を描くことに全く気が乗らず、筆を持とうとしなかったという。そんな息子の横で、母の治美さんが「楽しいね」と独り言を言いながら絵を描いて見せたところ、隆廣さんはじっとそれを見つめ、やがて自ら筆を取った。それが、のちに「第9回MOA美術館港区児童作品展 絵画の部」金賞を受賞することになる作品『しあわせだね』の最初の一筆だった。“苦手”だった絵が、“楽しい”に変わった瞬間だ。
『しあわせだね』——すべての始まりの一枚

金賞受賞作品『しあわせだね』
2023年に金賞に選ばれた『しあわせだね』は、寒い冬の夜、月を見上げる親子の猫を描いたもの。月の光に包まれた子猫が感じたぬくもり、それが「しあわせだね」という一言に変わった。
物質的な豊かさよりも、“いま、お母さんと一緒にいられること”こそが、子猫の感じた幸せ。目に見える幸せだけが幸せではない。“見えない幸せ”を感じた子猫の初めての一言だった。
当時、猫のしっぽが画用紙からはみ出しており、担任の先生からは「作品が規定外なので、しっぽを外しますか?」と尋ねられたものの、MOA美術館はその表現を尊重し、“作品の個性”として評価。その瞬間、治美さんは、「絵だけでなく息子自身の個性までをも認めて頂けた気がしました。学校生活でも“枠からはみ出してしまう”ことの多い、息子。けれど、この受賞は社会に受け入れられたような、母として胸が熱くなる出来事でした」と思ったという。
この経験が、親子の人生を大きく変えるきっかけとなり、“苦手”を“楽しい”に変える親子アーティストの原点にもなった。そして、金賞受賞をきっかけに、てのひら美術館 白神代表から「親子展をやってみませんか?」と声をかけられたことが“親子アーティスト”誕生のきっかけだったという。
