なぜ「頻尿」に? トイレの回数が多くなる「頻尿」その原因とは【医師解説】

なぜ「頻尿」に? トイレの回数が多くなる「頻尿」その原因とは【医師解説】

「夜中に何度もトイレに起きてしまう」「日中でもトイレのことばかり気になる」そんなお悩みを抱えている人は少なくありません。実は、頻尿の背景には年齢や性別に応じて様々な原因が隠れています。男性に多い前立腺肥大症や、近年増加している過活動膀胱はその代表例です。今回は、頻尿になる原因やその疾患について永田先生に解説していただきました。

永田 卓士

監修医師:
永田 卓士(成増まちかど泌尿器科)

熊本大学医学部卒業。その後、熊本赤十字病院、日本赤十字社医療センター、東芝病院(現・東京品川病院)泌尿器科、埼玉社会保険病院(現・埼玉メディカルセンター)泌尿器科、東京都健康長寿医療センター泌尿器科、国立長寿医療研究センター泌尿器科などで経験を積む。2024年、東京都板橋区に「成増まちかど泌尿器科」を開院。

編集部

トイレの回数が多くて悩む人がいますが、一体なぜでしょうか?

永田先生

トイレの回数が多くなることを頻尿と言い、その原因は様々です。例えば、男性の場合は「前立腺肥大症」が原因となって頻尿を引き起こしていることがあります。また、男女ともに「過活動膀胱」が原因となって頻尿が生じていることもあります。

編集部

それぞれについて、もう少し詳しく教えてください。

永田先生

まず、前立腺肥大症は男性特有の疾患であり、膀胱の隣にある前立腺という臓器が加齢とともに少しずつ大きくなることで尿道が圧迫されて、尿が出にくくなります。放置すると膀胱の機能が低下して、やがて腎臓の機能障害が起きることもあります。

編集部

過活動膀胱についてはいかがでしょうか?

永田先生

簡単に言うと過活動膀胱は、膀胱が老化など様々な影響を受け、落ち着きをなくす状況を指します。そのため、尿のたまり具合とは別に突然の強い尿意を感じることがあり、そのような状況を「尿意切迫」と呼んでいます。

編集部

最近、過活動膀胱という病名を耳にする機会が増えました。

永田先生

現在は高齢化に伴い、過活動膀胱に悩む人の数が増えています。また、前立腺肥大症の患者さんの多くが過活動膀胱も併発しています。そのため、男女とも過活動膀胱の患者数は増加しており、日本排尿機能学会の報告によると「40歳以上の日本人男女で過活動膀胱のある人は14.1%に及ぶ」とされています。高齢になるほど患者数は多くなります。

※この記事はMedical DOCにて【「頻尿」の原因はご存じですか? トイレが近いときの対処法や膀胱訓練のやり方を医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

配信元: Medical DOC

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