
10月6日(月)から、沢口靖子主演の“月9”ドラマ「絶対零度~情報犯罪緊急捜査~」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系※初回は夜9:00-10:09)が始まる。誕生から15年が経つ人気シリーズ「絶対零度」のシーズン5となる。上戸彩主演の第1シリーズ「絶対零度~未解決事件特命捜査~」(2010年放送)は現在、FOD・TVerの無料配信で見ることができる。上戸演じる女性刑事・桜木泉がまだ駆け出しのド新人として登場する第1話を紹介したい。(以下、ネタバレが含まれます)
■泉は3億円横領事件と白骨遺体の関係を紐解く
本作は、警視庁捜査一課に新しく設置された“未解決事件特命捜査対策室”が舞台。たたき上げからエリートまで幅広く集められた人材の中で、新人刑事の泉は強い正義感と決して諦めない思いで数々の事件と向き合っていく。
■10年前に起きた横領事件の容疑者の一人が白骨化して発見
第1話。泉は、今日も調べものをしている途中で寝てしまい庁舎に泊まっていた。4係係長の倉田(杉本哲太)は室長の長嶋(北大路欣也)から、山の中で白骨化した人骨が発見された事件の資料を渡される。人骨は10年前に起きた「東都銀行3億円事件」の容疑者の1人であることから4係が捜査することになったのだ。
横領事件の容疑者は、当時銀行に勤務していた清美(宮下ともみ)、友江(松岡恵望子)、麻衣(小松彩夏)の3人で、いずれも事件直後から行方不明になっていた。白骨死体は麻衣のもので、死後10年が経っていることが判明。さらに遺留品のメモに書かれた14桁の数字が明らかになった。
深沢(丸山智己)は、数字が銀行の口座番号であることを調べると、泉と共に口座の持ち主で麻衣の元恋人・宮本(徳秀樹)を訪ねる。聞き込みだと張り切る泉に、深沢は黙ってメモだけしているようにと言い放つ。
同じころ、4係では白石(中原丈雄)が倉田に、インターネットの裏サイトで発見した、逃げまどう女性が拳銃で撃たれる映像を見せていた。その女性は10年前の横領事件の主犯とされていた清美と判明する。塚本(宮迫博之)と高峰(山口紗弥加)は、横領事件当時に支店長だった木村(渡辺憲吉)を訪ねていた。高峰は事件との関係を否定する木村のある行動に目をとめる。
■新人刑事“泉”は未解決事件に関わる母親から複雑な心情を学ぶ
清美の母親に聞き込みに行った泉は、手がかりを得られないばかりか事件関係者である母親の気持ちを汲み取ることができず傷つけてしまう。先輩刑事の高峰からも「未解決事件の関係者の傷は、流れた時間の分だけ深いのよ。覚えておきなさい」と叱咤され、長期間解決しないままの事件に携わっていくことの難しさを知るのだった。
今見返してみれば15年も続く人気シリーズ作品だが、第1シリーズのそれも第1話での泉は、表情や動きもジタバタしている。ドジっ子であるとか未熟さが目立つとかではなく、初回にしては結構しっかりしている新人刑事。
それでも、職場で寝てしまって寝癖がついたままフラフラと捜査に出てしまうところや先輩にファーストフードの買い出しをさせられ、捜査現場で余計な口出しをすることもできずに必死にメモをとっている姿は、実に一生懸命で健気である。主人公・泉のかわいらしさと、芯の通った骨太なストーリーのギャップが楽しめる作品だ。

