「私だけに優しいヤクザなんていない」弁護士の警鐘広がる、反社に10億しゃぶられた「信用組合」の末路

「私だけに優しいヤクザなんていない」弁護士の警鐘広がる、反社に10億しゃぶられた「信用組合」の末路

●「終わりになっちゃうべ」脅しの録音

Σ氏の手口も報告書で明らかにされている。2017年に録音された会話には、露骨な脅迫の言葉が残っていた。

当時、Σ氏は理事長に電話をかけて現金の支払いを迫ったが、理事長は拒否。代わりに専務理事が対応した。するとΣ氏は業を煮やし、こう言い放った。

「あったまんま放送(街宣活動)されるよ」
「終わりになっちゃうべ。従業員の前でみんなやられっから。終わりになるよ」

支払いを拒めば街宣活動を再開する──。信組は、こうした脅迫に長年さらされていた。

●フィクションにはあるけれど…

特別調査委の調査報告書が公表されると、SNSには驚きと恐怖の声が広がった。

「しゃぶりつくされるってこういう感じ」
「じわじわと染まっていってどっぷりになっていく過程が生々しい」
「なぜ反社とつながりを持ってはいけないよくわかった」

こうした反応を受けて、福岡県弁護士会の鐘ケ江啓司弁護士はXで次のように投稿した。

「反社を美化するようなフィクションはよくありますが、現実では助けられたことが弱みとなり、どこまでも絞り尽くされるだけです。

もちろん、だからといってフィクションを規制すべきとはまったく思いませんが、現実は知られて欲しいです。私だけに優しいヤクザなんていません」

投稿は広く拡散され、多くの共感を呼んだ。

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