運動前にコーヒーを摂取することで、運動パフォーマンスが向上する可能性があることが多くの研究で示されています。カフェインが筋肉の収縮力を高め、疲労感を軽減する作用について説明します。適切なタイミングや摂取量、水分補給との兼ね合いなど、運動時にコーヒーを活用する方法を詳しく解説します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
運動とコーヒーの組み合わせ
運動パフォーマンスの向上を目的として、コーヒーを活用する方法について説明します。適切なタイミングでの摂取により、運動効果を高めることが期待できます。
運動前のカフェイン摂取の効果
運動の30分から60分前にカフェインを摂取すると、運動パフォーマンスが向上することが多くの研究で示されています。カフェインは、筋肉の収縮力を高め、疲労感を軽減する作用があるためです。特に、持久系の運動において効果が顕著であり、ランニングやサイクリングなどの有酸素運動の際に有益とされています。
また、カフェインは痛みに対する感受性を低下させる作用もあり、運動中の不快感を軽減することが報告されています。ただし、摂取量が多すぎると、動悸や不安感が生じ、かえってパフォーマンスが低下することがあります。運動前のカフェイン摂取量は、体重1キログラムあたり3ミリグラムから6ミリグラム程度が目安とされており、体重60キログラムの方であれば180ミリグラムから360ミリグラム(コーヒー約2杯から4杯)が適量です。
水分補給との兼ね合い
カフェインには利尿作用があるため、運動中の脱水に注意が必要です。以前は、カフェインが水分排出を促進し、脱水のリスクを高めると考えられていましたが、近年の研究では、通常の摂取量であれば深刻な脱水を引き起こすことは少ないとされています。ただし、運動により発汗量が増える状況では、水分補給をしっかり行うことが重要です。
運動前にコーヒーを飲む場合でも、運動中と運動後には水やスポーツドリンクで適切に水分を補給する必要があります。特に、夏季や高温環境での運動時には、脱水のリスクが高まるため、カフェイン摂取と水分補給のバランスを意識することが求められます。また、運動直前に大量のコーヒーを飲むと、胃に負担がかかり、不快感を引き起こすことがあるため、飲むタイミングと量を調整することが大切です。
まとめ
コーヒーには、2型糖尿病や肝疾患、パーキンソン病のリスク低減といった健康効果がある一方で、睡眠障害や胃腸への負担、血圧上昇といったデメリットも存在します。適切な摂取量は1日3杯から4杯程度とされていますが、個人差が大きいため、自身の体調や反応を観察しながら調整することが重要です。ダイエット効果については、カフェインによる脂肪燃焼促進や代謝向上が期待できるものの、コーヒーだけで体重が減少するわけではありません。バランスの取れた食事と運動を基本とし、コーヒーを補助的に活用することで、健康的な生活をサポートできるでしょう。気になる症状がある場合や持病をお持ちの方は、医療機関にご相談ください。
参考文献
厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
国立がん研究センター「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」
全日本コーヒー協会「コーヒーと健康」
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド」

