中高年層での発症が増加する肝臓がん。初期には自覚症状がほとんどなく、健診や他の病気の検査で偶然見つかることも少なくありません。慢性的な肝炎ウイルスの感染や生活習慣の影響で発症リスクが高まります。今回は、肝臓がんの原因や症状について山名先生に解説していただきました。

監修医師:
山名 陽一郎(さがみ野やまなクリニック)
日本大学医学部卒業。その後、日本大学医学部附属板橋病院、海老名総合病院、公立阿伎留医療センター、みつわ台総合病院で経験を積む。2024年、神奈川県海老名市に「さがみ野やまなクリニック」を開院。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本内科学会認定医、難病指定医。
編集部
肝臓がんについて教えてください。
山名先生
肝臓がんは、肝臓の細胞ががん化することによって発生する悪性腫瘍です。ほとんどのがんと同様に、中高年層での発症が増えます。男女問わず一定の割合で発生しています。
編集部
肝臓がんの原因はなんですか?
山名先生
肝臓がんの主な原因としては、慢性的な肝炎ウイルス(B型肝炎・C型肝炎)の感染、アルコールの過剰摂取、脂肪肝、肝硬変などが挙げられます。これらの要因が肝臓の細胞にダメージを与え続けることで、がんが発生するリスクが高まります。
編集部
肝臓がんの初期症状はどのようなものがありますか?
山名先生
肝臓がんの初期では、自覚症状がほとんどありません。多くの人はがん検診や、会社の健康診断で何らかの異常が指摘され、その後の精密検査などで診断されます。また、ほかの病気の検査で偶然発見されることもあります。人によっては、疲れやすさや体重減少、食欲不振などの一般的な症状が出ることもあります。
編集部
症状が進行すると、どのような変化がみられますか?
山名先生
肝臓がんが進行すると、「上腹部の痛みや違和感」「腹部の腫れ」「皮膚や目の白い部分が黄色くなる黄疸(おうだん)」「足のむくみ」「腹水」などの症状が表れます。これらの症状が出た時点で、既にかなり進行していることが予想されます。肝臓がんの症状が疑われる場合は、早急に医療機関を受診しましょう。
※この記事はMedical DOCにて【「肝臓がん」は飲酒・喫煙しなくても発症するリスクが!? 予防するための生活習慣を医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

