妊娠初期のつわりとマタハラで疲弊したみちるは、健司に対して頻繁に愚痴をこぼすようになっていた。そんなある日、夫は信じられない行動に出て…。
マタハラにひどいストレスを感じる
妊娠がわかってからも、私は給食業の仕事を続けていた。でも、これが本当につらかった。給食室はただでさえ重労働なのに、上司からのプレッシャーがひどかったからだ。独身の女性上司は、私を見るたびに嫌味を言った。
「妊娠は病気じゃないんだよ?周りに迷惑かけないでよ」
「どうせすぐ辞める人がいるから、代わりの人を早く募集しないとね~」
いわゆるマタハラ紛いの言葉を浴びせられ、私のメンタルは毎日ボロボロ…。妊娠初期のつわりと上司の心ない言葉で疲れ切ってしまった。
「もう辞めたいよ…」
「また今日も嫌がらせされた…」
そう口にするたび、健司は黙って聞いてくれたけれど、私は辞めることも解決に向けて動くこともできず。仕事への不安と、辞めることへの不安の間で、ひたすらウジウジと揺れ動いてしまっていた。
よかれと思って依頼された退職代行
マタハラが続く中、私は仕事の休憩中にも健司に愚痴を送信するようになっていた。
「もう仕事辞めたい。限界」
「お金は不安だけど、あの人たちと一緒にいるのはもう無理」
数分後、健司から返信があった。
「わかった。もう辞めたらいい。俺が手配するから」
「手配」という言葉の意味が、私には一瞬わからなかった。
「手配って…?」
すぐ返信したけど、それっきり返信はない。その夜、帰宅した健司に意味を聞くと、驚くべき言葉が返ってきた。
「手配の意味?退職代行に申し込んだってことだよ」
彼の行動は、私の意思を無視した暴走だった。
「は!?どういうこと?急に辞めるなんてそれは無理だよ、キャンセルして!」
健司は面倒そうにキャンセル作業をしたけれど、まさかそんな行動に出るなんてあっけに取られてしまった。今までそんな強引なことなんてする人じゃなかったのに。
その夜、私は健司がなぜそんな行動に出たのか答えが知りたくなり、寝室で眠っている健司のスマートフォンを手に取った。スマホの中の行動記録を見れば、夫が何を考えていたのか少しはわかるんじゃないかと思って。

