すぐに病院へ行くべきお腹がキリキリ痛む関連症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
お腹がキリキリする腹痛と「我慢できない激痛」「冷や汗」「意識がもうろうとする」症状の場合は、救急科へ
お腹のキリキリとした痛みが、突然、今までに経験したことのないような我慢できないほどの激痛に変わった場合や、冷や汗が出る、顔面が蒼白になる、意識がもうろうとするといった症状を伴う場合は、非常に危険な状態かもしれません。考えられる病気としては、胃や十二指腸に穴が開く「消化管穿孔(せんこう)」や、腸が詰まってしまう「腸閉塞」、激しい炎症を起こす「急性膵炎」、あるいは「大動脈解離」など、命に関わる緊急性の高い病気の可能性があります。このような場合は、様子を見たり、ご自身で移動したりしようとせず、すぐに救急車を呼んでください。夜間や休日であっても、ためらう必要はありません。
「お腹がキリキリする」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「お腹がキリキリする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
胃炎
胃炎は、胃の粘膜が炎症を起こしている状態です。食べ過ぎ、飲み過ぎ、ストレス、鎮痛薬の副作用、ピロリ菌の感染など、さまざまな原因で起こります。みぞおちのキリキリとした痛み、胃のもたれ、吐き気などの症状が現れることがあります。対処法としては、まず胃を休ませることです。消化の良い食事を心がけ、アルコールやカフェイン、香辛料などの刺激物を避けましょう。ストレスが原因の場合は、十分な休養とリラックスを心がけることも大切です。症状が軽い場合は市販の胃薬で改善することもありますが、痛みが続く場合や繰り返す場合は、消化器内科や内科を受診してください。胃カメラ検査で粘膜の状態を確認し、原因に応じた治療(胃酸を抑える薬、粘膜を保護する薬、ピロリ菌の除菌治療など)が行われることがあります。
胃潰瘍
胃潰瘍は、胃酸によって胃の粘膜が深く傷つき、えぐれたようになってしまう病気です。主な原因は、ピロリ菌の感染や、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる痛み止めの副作用とされています。症状としては、みぞおちのキリキリとした痛みが特徴で、特に食後に痛むことが多いです。他にも、胃のもたれ、吐き気、食欲不振などが現れることがあります。潰瘍から出血すると、吐血や黒い便(タール便)が出ることがあり、穴が開く(穿孔)と激しい腹痛を引き起こします。胃潰瘍が疑われる場合は、自己判断で鎮痛薬を飲むのは避けてください。症状が悪化する可能性があります。みぞおちの痛みが続く場合は、必ず消化器内科を受診しましょう。胃カメラ検査で診断が確定すれば、胃酸を抑える薬や、ピロリ菌の除菌治療などが行われます。出血や穿孔がある場合は、緊急の入院や手術が必要となることもあります。
過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群(IBS)は、大腸カメラなどをしても炎症や潰瘍といった目に見える異常がないにもかかわらず、お腹の痛みや不快感、そして便通の異常(下痢や便秘、またはその両方を繰り返す)が長く続く病気です。排便前の腹痛が特徴で、排便によってその痛みが和らぐことが多いとされています。ストレスを感じると症状が悪化しやすいことも特徴の一つです。主に、下痢型、便秘型、混合型(下痢と便秘を繰り返す)、ガス型(お腹の張りが強い)などに分類されます。対処法としては、まずは生活習慣の見直しが重要です。十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理を心がけましょう。また、脂っこいもの、アルコール、香辛料、冷たい飲み物など、ご自身にとって症状を悪化させやすい食べ物を避けることも有効な場合があります。市販の整腸剤などで改善しない、症状が日常生活の妨げになっているという場合は、消化器内科や内科にご相談ください。症状に合わせて、腸の動きを整える薬、便の硬さを調節する薬、不安を和らげる薬などが処方されることがあります。

