「いずれ離婚するって」既婚者にハマり続ける友人、笑顔に滲む“痛々しさ”|人の夫を奪う友人

「いずれ離婚するって」既婚者にハマり続ける友人、笑顔に滲む“痛々しさ”|人の夫を奪う友人

男性に認められ、求められることで「生きてる気がする」と言う由香には、以前の真面目だった姿はもうどこにも見当たりません。愛されたいという欲望に飲み込まれていく彼女に、千夏はどうすることもできずにいました。

増え続ける異性関係

春の終わり、街の風が少し湿り気を帯び始めたころ。由香はさらに華やかになっていました。髪はきれいにゆるく巻かれ、服の趣味も少し変わったようでしたが、相変わらず派手なものでした。

由香「最近、会ってる人がいてね」

そう打ち明けられたのは、駅前の居酒屋でした。
 
私「前に言ってた中村さん?」
由香「ううん、違う。同じ常連だけど、高橋さんっていう人。独立して会社やってるんだって」

また違う人......既婚者や婚約者がいる人と続いていてほしかったわけではありません。しかし、あの真面目だった由香が、誰彼構わず遊んでいるという事実にひどく胸が痛みました。私はグラスを握りしめたまま、しばらく言葉を失っていました。

由香「千夏と気が合いそうだと思ったから、ぜひ紹介したくて」

そう説明する声はどこか高揚していて、危うさを感じました。

私「……その人は奥さん、いるの?」
由香「別居中。いずれ離婚するって」

その“いずれ”という言葉が、どれほど曖昧なものかを、由香だけがわかっていませんでした。私は小さく息をついて言いました。

私「由香、やっぱりそういうの良くないよ」
由香「どうしてそんなこと言うの?」

由香の声が少しだけ震えていました。

由香「私、やっと誰かに必要とされてる気がするの。あなたには分からないよ」

その言葉が、深く胸の奥に突き刺さりました。でも、必要とされるために壊れていく友人の姿を、もうこれ以上黙って見ていることができませんでした。

自由と無責任

その翌週、私は意を決して例の店へ行くことにしました。そこは、思った以上に大人の世界が広がっていました。照明を落としたカウンター、シャンデリアの光、低く流れるジャズ。常連たちは皆、慣れた様子で酒を飲み、会話を交わしていました。

その中に、ワンピース姿の由香がいました。笑顔でこちらに手を振る姿が、私の知っている由香とは別人のようにすら感じました。

由香「来てくれたんだ。紹介するね、高橋さん」

男性は穏やかな笑みを浮かべ、私にゆっくりと手を差し出しました。

高橋「いつも由香さんにお世話になってます」
私「いえ……」

左手の薬指には、きらりと結婚指輪が光っていました。帰り際、私は言いました。

私「由香、やめようよこんなこと。今までずっと真面目に生きてきたじゃない」
由香「私だって、ちょっとくらい自由にしてもいいでしょ」
私「自由と無責任は違うよ」
由香「そうかもね」

そう言いながら浮かべた由香の笑顔が、私には痛々しいほど眩しく見えました。

配信元: ママリ

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