胃を全摘出した後に日常生活で注意するべきこととは?Medical DOC監修医が解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「胃がんで胃を全摘出した場合の余命」はどれくらいかご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野
「胃がん」とは?
胃がんとは、胃の内側を覆う粘膜からできる悪性腫瘍(がん)のことを指します。胃がんは様々な要因により発生しますが、中でもヘリコバクター・ピロリ感染は胃がんとの関連が示唆されています。そのため、ピロリ菌の検査や除菌など、がんにかからないための治療も行われてきています。
しかしながら未だに胃がんは日本においては3番目に多いがんであり、がんが死亡原因のものとしては、4番目に多いものです(2023年)。
胃がんになった場合、状況により内視鏡処置や手術、抗がん剤などによる治療を行っていきます。ここでは手術、とくに胃全摘となってしまった場合について解説していきます。
胃を全摘出した後に日常生活で注意するべきこと
初めは複数回、少量の食事を
胃は食べたものをため込んで消化し、少しずつ腸に流す働きがあります。胃全摘後では胃がすべてなくなってしまうため、その働きがなくなります。そのため、初めは一度にたくさんのものを取るのではなく、少しずつ複数回に分けて食べるようにします。
ゆっくりかんで少しずつ食べる、早食いをしない
食べたものは直接腸に流れてしまうので、短時間、一度に食べ物を多く摂ってしまうといきなり腸にたくさんの食べ物が流れ込むことになってしまいます。そうすると食後すぐ(30分以内など)に冷や汗や動悸、倦怠感、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などの症状が出ることがあります。これは一度に腸の中に食べ物が流れることで腸の動きが激しくなりすぎてしまい起こる症状です。そのため、ゆっくりと少しずつ食事をすることが肝心です。
一度に多くの食べ物をとってしまい、これらの症状が出てしまった場合は横になって休むようにしましょう。また、一度に食事をとって血糖が上がりすぎた場合は、身体が血糖を下げようとします。その際に血糖が下がりすぎてしまい低血糖を起こし、冷や汗やめまい、ふらつきなどをおこすことがあります。このような症状が出てしまった場合は飴などの糖分を口に含むようにしましょう。
消化にいいものを食べる
胃全摘の場合、胃がすべてなくなっており、食べたものは食道から直接腸に流れていきます。本来であれば胃で消化されるべきものが直接腸に流れるため、胃があるときより消化できていないものが腸に流れることになります。そのため、なるべく消化に良いものを取り、脂物などは控えるようにしましょう。
水分をこまめにとる
先に述べた通り、胃がなくなることで消化する力が少なくなったり、その他の症状で下痢などの症状を起こすことがあります。そのため、身体から水分がなくなり脱水になったりします。
定期検査をうける
胃がんになった場合、手術を行って治療をしても再発してしまったり、他の合併症(カルシウムやビタミンの吸収不足による貧血や骨粗鬆症など)が起こる可能性もあります。定期的に病院を受診し、異常がないか検査を行うことは重要です。

