「働く大人の発達障害」3つのタイプ別! あなたの「働きづらさ」の正体【医師が解説】

「働く大人の発達障害」3つのタイプ別! あなたの「働きづらさ」の正体【医師が解説】

働く大人の発達障害が増加している現代。特に、発達障害を抱えた部下に対する上司の適切な対応も必要とされています。企業によっては部下への対応に対して、上司を対象に講習会などを開催しているところもありますが、一体、上司は部下に対してどのように指導したら良いのでしょうか。今回は部下が発達障害を抱えると、どのような症状が見られるのかについて、渋谷365メンタルクリニックの渡辺先生に教えてもらいました。

渡辺 佐知子

監修医師:
渡辺 佐知子(渋谷365メンタルクリニック)

金沢医科大学大学院医学研究科修了。同大学の神経科精神科、女性総合医療センター外来を経て、厚生労働省医系技官として医療行政に携わる。精神保健指定医。日本精神神経学会認定専門医・指導医。産業医。医学博士。

編集部

そもそも現在、働く人の発達障害が増加していのはなぜですか?

渡辺先生

さまざまな原因が考えられます。たとえば社会構造や価値観が複雑化し、高度なコミュニケーション力が求められるようになったということも、大人の発達障害が増えたことの理由だと考えられます。そのほか発達障害という疾患に対する社会的な認知度が上がり、本人や家族の気づきが増えたということも理由の一つと考えられます。

編集部

大人の発達障害の場合、どのようなタイミングで気づくことが多いのですか?

渡辺先生

就職や転職のタイミング、部署を異動したタイミングなどで気づくことが多いですね。人間関係で困難を感じたり、友達ができなくていつも孤立していたり、仕事でミスを繰り返したりといったことで、「もしかして発達障害かもしれない」と疑うケースが多いと思います。

編集部

大人の発達障害の場合、どのような症状が見られるのですか?

渡辺先生

発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)という3つのタイプに分類されます。それぞれによって症状は異なりますが、たとえば自閉スペクトラム症(ASD)の場合には、以下のような問題が見られます。

親密なつきあいが苦手

人と共感するポイントが違う、共感できない

冗談やたとえ話がわからず、言われた言葉通りに理解する

会話が一方的である、止めどころのない会話がスタートする

急な予定変更を提案されると混乱する

融通がきかない

など

編集部

注意欠如・多動症(ADHD)の場合にはどうですか?

渡辺先生

一例として、以下のような問題が見られます。

周囲が気になって、目の前の仕事に集中ができない

マルチタスクが苦手

気がちりやすく、常にぼーっとしているように見える

うっかりミスが多い、忘れてしまう

仕事の優先順位をつけることができない

衝動買いをしてしまう

離席が多い

人の話を最後まで聞けない

なくしものや忘れものが多い

など

編集部

学習障害(LD)の場合には?

渡辺先生

一例として、以下のような問題が見られることがあります。

マニュアルを読み込むなどの文章での指示が頭に入ってこない 

読み飛ばしたり、文末を変えたりして、文章を正しく読むことができない 

メモを取ることが大切とわかっていても、結局できない

発注書や見積書の作成に時間がかかるし、ミス多発となる

電話番号4ケタを覚えるのが特に苦手など、極端に苦手なことがある

など

編集部

いろいろな症状があるのですね。

渡辺先生

実際にはきちんとタイプ分けできないこともあり、ADHDとLD、ASDが混在することもあります。しかし、概ね共通していることは、仕事でのミスが重なった結果、「社会人としてありえない」「こんな具体的なことまで聞かれても困る」などという心ない言葉を浴びせられ、かなり落ちこんでしまうということです。忙しいタイミングで初歩的なミスや的外れな質問をしてしまい、上司からパワハラのようなNGワードを発せられ、結果として本人も上司や同僚も、大きなストレスを抱えてしまう状況に陥ってしまいます。

※この記事はメディカルドックにて<上司が知っておくべき「発達障害」を抱える部下への適切な指導方法【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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配信元: Medical DOC

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