抗がん剤を使わない場合の余命はどうなる?Medical DOC監修医が解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「抗がん剤を使わない場合の余命」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
鎌田 百合(医師)
千葉大学医学部卒業。血液内科を専門とし、貧血から血液悪性腫瘍まで幅広く診療。大学病院をはじめとした県内数多くの病院で多数の研修を積んだ経験を活かし、現在は医療法人鎗田病院に勤務。プライマリケアに注力し、内科・血液内科医として地域に根ざした医療を行っている。血液内科専門医、内科認定医。
「抗がん剤」とは?
抗がん剤は、がん細胞の増殖・進行を防いで死滅に導くための薬剤です。抗がん剤を使用した治療は化学療法とも呼ばれ、外科手術・放射線治療と並ぶがんの主な治療法のひとつです。また、がん治療はこれらの治療を組み合わせることが多いです。
抗がん剤のみで完治を目指す場合もありますが、手術前に病巣を小さくする目的で抗がん剤を使用したり、術後の転移・再発を防ぐ目的で抗がん剤を使用したりするなど、補助的な役割で用いられることも多くあります。
抗がん剤を使わない場合の余命はどうなる?
抗がん剤を含むがん標準治療を行ったほうが余命は長くなります。たとえば手術を受けた膵がん患者が、術後に推奨される抗がん剤治療(ティーエスワン)を行った場合、生存期間が22.5ヵ月から46.5ヵ月に延長しました(JASPAC 01試験)。また、複数の抗がん剤治療を行ってきた転移性大腸がんの患者が、支持療法に加えてさらに抗がん剤治療(フリュザクラ)を行った場合、生存期間が6.6か月から9.3か月に延長しました(FRESCO試験)。すべての抗がん剤で毎回効果があるということではなく、効果があると審査で認められたもののみが現在の保険適応となっています。
注意したい点として、がんの専門医の提供する標準治療以外の自費診療や補完代替療法(CAM)と呼ばれる治療を行っても、無治療と比べて余命を伸ばすことはできません。これらは、がんになっても健やかな気持ちで過ごすためのお守り代わりであり、命を伸ばすなどの治療効果が期待できるものではないと知っておきましょう。

