洋食屋を営む宇美さんと夫の空さん。ある日、大学時代の友人・杏さんが来店します。久しぶりの再会に喜ぶ宇美さんとは反対に、どこかよそよそしい空さん。杏さんが帰ったあと、空さんの態度は一変するのです。口数は減り、宇美さんが杏さんの話をすると激怒し杏さんと関わることを極端に嫌がるようになり……。このお話は、たったひとりの女性をきっかけに、幸せだった夫婦の歯車が少しずつ狂い始める人間関係トラブルマンガです。
宇美さんから誘われた同窓会をキッパリと断る空さん。同時に文句を言う宇美さんのことをうっとうしいと思うように。心の中で「一刻も早く浮気の証拠をつかんですぐに捨ててやる……」と呟きます。そのとき、空さんは杏さんのことを思っていたのでした。
後日、杏さんに紹介された浮気調査会社に相談に訪れた空さん。約80万円で契約を結んだ帰宅途中、空さんの頭に浮かぶのは慰謝料請求のことと杏さんとの今後のこと……。空さんは「杏ちゃんて好きなジュエリーブランドとかあるの？」「海外旅行行くならどこに行きたい？」と意味深なメッセージを送るのでした。
ついに浮気現場の写真を入手
浮気調査会社からの帰り道、「やっぱり俺の運命の相手は杏ちゃんしかいない！」と頬を染める空さん。すると杏さんから「好きなジュエリーショップも行きたい国もない」と返信が。その返信を見た空さんは「待っててね杏ちゃん……」「慰謝料むしり取ってすぐに君のところに行くからね……」と気持ちを高めるのでした。
数週間後、浮気調査会社へ向かう空さん。すると調査会社の人が「これだけ違う人とホテルに出入りしてるケースも珍しいですよ！」と告げ数々の写真を並べます。写真を見てあ然とする空さん……。すると調査会社の人が笑顔で「調査期間……延しませんか？」と提案をします。その内容は、全員から慰謝料を取れれば結構な額になると言うもの。話を聞いた空さんは杏さんとの充実した未来を考え、慰謝料欲しさに提案を受け入れるのでした。
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「運命の相手は杏ちゃんしかいない！」」と浮き立つ一方で、杏さんからの淡々とした返信……。温度差に気づかないまま「慰謝料をむしり取って君のところへ」と目的が違う方向に向かっている気がしてなりません。浮気調査は“稼ぎ”でも“仕打ち”でもなく、事実と今後を決めるための手段です。杏さんとの未来のためにと必死になる空さんですが、未来はあるのでしょうか？ 勢いに任せるのではなく、自分の考えを持って欲しいですね。
次の話を読む → 著者：マンガ家・イラストレーター 土井真希
