二度と引き返せないと決意した沙羅は、すぐに親友夫婦に連絡を取りました。夫の裏切りを知った親友の悠介と綾乃は、すぐに現場へ駆けつけてくれました。ラブホテルのエントランス前で、拓真の車の中で待機する沙羅と友人夫婦。彼らがすべきことはただ一つ、決定的な証拠を押さえること―――。
「絶対一人で動かないで」共闘の夜
ラブホテルに入っていったのは、つい3日前に不倫がバレで必死に謝罪していたはずの夫と、その不倫相手に間違いありません。
私は、すぐに学生時代からの親友・綾乃と悠介夫婦に連絡を取りました。事情を簡潔に伝えると、2人は言葉を失いながらも
「すぐに行く。絶対一人で動いちゃだめだからね」
と力強い言葉をくれました。30分後、2人は現場に到着しました。悠介はまずボイスメモのアプリを立ち上げ、状況をすべて録音するよう指示しました。綾乃はそっと私を抱きしめ、冷静さを保つよう促してくれました。
「沙羅がどれだけ傷ついているか、私たちが一番よくわかってる。でも、落ち着こう。冷静に、証拠を揃えることが一番の復讐だから」
本当に友人夫婦の存在が心強かった。彼らがいてくれるおかげで、泣き崩れることなく、最低限の冷静さを保つことができました。
2時間の待機と、ついに開く自動ドアの向こう
ラブホテルのエントランスが見える位置に車を移動させ、待機が始まりました。エントランスを出入りするカップルを見るたびに、心臓は激しく波打ちました。
悠介は持参してくれたカメラを構え、綾乃はボイスメモが起動しているかを確認しています。私は、車の窓から外を見つめ、ただただ二人が出てくる瞬間を待ちました。
(早く姿を見せてほしい。不倫に溺れた汚い姿を―――)
いつの間にか、私の心は悲しみよりも怒り、そして一種の冷たい闘志に満たされていました。拓真と、その不倫相手の女性の人生を、この手で狂わせてやろうという強い思いが、私を支えていました。
待つこと約2時間。ついに、エントランスの自動ドアが開いたのです―――。

