「腎臓の働きを知る指標・クレアチニンの基準値」はご存知ですか?男女別・年齢別に解説!

「腎臓の働きを知る指標・クレアチニンの基準値」はご存知ですか?男女別・年齢別に解説!

クレアチニンの基準値はどれくらい?Medical DOC監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「クレアチニンの基準値」はご存知ですか?男女別・年齢別に医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中村 雅将

監修医師:
中村 雅将(医師)

弘前大学医学部卒業。弘前大学大学院医学研究科卒業。腎臓専門医・透析専門医・内科専門医として弘前大学、徳島大学、社会医療法人川島会川島病院、医療法人清永会矢吹病院などで臨床経験を積み、現在は医療法人さくらさくら記念病院に副院長として勤務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医の資格を有する。

クレアチニンとは?

クレアチニンは腎臓の働きを知る指標として、一般的に広く使用されています。
筋肉が収縮する時、筋肉の細胞の中では、アミノ酸の一種であるクレアチンという物質からエネルギーが放出されます。この時に代謝産物として生じるのがクレアチニンです。血液中のクレアチニンは腎臓の糸球体という部位で濾過され尿中に排出されます。腎臓の働きが障害されると尿中へ排出される量が減るので、血液中に残る量が増えるため、結果的に血液中のクレアチニンが増加します。
血液中のクレアチニン値は全身の筋肉の量や、腎臓の働きなどの影響を受けて変動します。例えば、一般的に男性のほうが女性よりも筋肉量が多いためクレアチニンの値も男性のほうが高めとなります。男性の中でも筋肉量は個人差がありますし、高齢者よりも若年者のほうが筋肉量は多い傾向にあります。腎機能を指標として使用されるクレアチニンですが、種々の要因によって影響を受けることが難点とされていました。最近では血液中のクレアチニン濃度、年齢、性別からeGFR(推定糸球体濾過量)を算出し、腎機能の指標として表記されるようになっています。
eGFRが低下した状態や尿検査・血液検査・画像診断などの検査所見から腎障害があきらかである状態のいずれか、もしくは両方が3か月以上続いた状態は、慢性腎臓病(CKD)といわれます。CKDを早い段階で適切に治療を開始できるように、検診や医療機関で行われる血液検査では、クレアチニンとクレアチニンをもとに算出されるeGFRが広く用いられています。

クレアチニンの基準値

クレアチニンの基準値は一般的に以下のように示されていますが、年齢や性別、筋肉量などにより個人差があります。年齢や性別の影響を近年、腎臓の働きを示す指標としてeGFRが用いられています。

男女別・クレアチニンの基準値

男性:0.6~1.2㎎/dl
女性:0.5~1.0㎎/dl

eGFRの計算方法

日本腎臓学会はeGFRを計算する際に、「日本人のためのeGFR計算式」[MN1] を推奨しています。この式はおもに欧米人を対象にしていたCKD-EPI式を日本人のデータをもとに修正したもので、より正確に日本人の腎機能を評価できるとされています。

日本人向けのeGFR計算式は以下の通りです:
男性:
eGFR = 194 × 血清クレアチニン値^(-1.094) × 年齢^(-0.287)
女性:
eGFR = 194 × 血清クレアチニン値^(-1.094) × 年齢^(-0.287) × 0.739
この計算式では、血清クレアチニン値(mg/dL)、年齢、および性別を使ってeGFRを推定します。性別によって女性には係数「0.739」が掛けられる点が特徴です。これは、日本人女性の腎機能が男性に比べて一般的に低めであることを反映しています。

算出されたeGFRにより、腎機能は5段階に分類されます。
ステージ1eGFR ≧90(ml/分/1.73㎡)GFR(eGFR)は正常または亢進
ステージ2eGFR 60~89(ml/分/1.73㎡)GFR(eGFR)は軽度低下
ステージ3eGFR 30~59(ml/分/1.73㎡)GFR(eGFR)は中等度低下
ステージ4eGFR 15~29(ml/分/1.73㎡)GFR(eGFR)は高度低下
ステージ5eGFR <15(ml/分/1.73㎡)腎不全

配信元: Medical DOC

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