
チ・チャンウク演じる主人公パク・テジュンが携帯電話を拾ったことで突如、身に覚えのない凶悪犯罪の濡れ衣を着せられる韓国のアクション・サスペンス「捏造された都市」で、キャリア初の本格ヴィランを演じているド・ギョンス。人気グループ・EXOのメインボーカル・D.O.(ディオ)としても知られているが、俳優としても着々と代表作を残している。最新作でこれまでになく狂気を漂わせるギョンスのキャリアに注目する。
■D.O.名義ではソロアーティストとしても活躍
1993年1月12日生まれ、現在32歳のギョンスのキャリアがスタートしたのは2012年のこと。21歳でK-POPグループ・EXO(エクソ)/EXO-Kのメンバー・D.O.としてデビューした。小学生の頃から歌うことが好きで、高校時代に現・BTOBのメンバー、イム・ヒョンシクとグループを組んで学園祭や歌の大会に出場するうちに注目を集めるようになり、SMエンターテインメントのスカウトを受けたことが、芸能界入りを意識した最初のきっかけだったという。
伸びやかでパワフルなボーカルが持ち味で、グループでは楽曲の歌い出しパートを任されることが多い。2021年に兵役を終えて以降はソロ活動にも積極的で、2021年に初のソロミニアルバム『共感』、2023年に2ndミニアルバム『期待』、2024年に3rdミニアルバム『成長』をリリース。2024年に、東京・名古屋・大阪を含むアジア11都市を巡る初めての単独アジアファンコンサートツアー「BLOOM」を展開。2025年も初のフルアルバム『BLISS』を引っ提げて日本を含むアジア9地域を回る「2025 DOH KYUNG SOO ASIA CONCERT TOUR <DO it!>」を展開している。
■胸キュン時代劇「100日の郎君様」でファン急増!
K-POP界のトップを走る人気アイドルとして活躍してきたギョンスは2014年、グループで最も早く演技の道にも進出。ドラマ「大丈夫、愛だ」(2014年)でドラマデビューを果たすと、同年に映画「明日へ」でスクリーンデビューし、アジアフィルムアワード新人賞を受賞。さらに、「あの日、兄貴が灯した光」(2016年)で「青龍映画賞」新人男優賞と「百想芸術大賞」男性人気賞を受賞するなど、早くからその才能を認められてきた。
5カ月に及ぶ練習を重ねて天才的なダンスの才能を持つ戦争捕虜の青年を躍動感たっぷりに演じた映画「スウィング・キッズ」(2018年)など、アーティストとしての顔も持つギョンスならではの持ち味を生かした作品にも主演する。一方で、俳優・ギョンスの知名度を一気に高めたのは、初めて時代劇に挑んだ2018年の主演ドラマ「100日の郎君様」だろう。
朝廷の陰謀によって記憶をなくし庶民として生活することになった世子(王子)が、初恋の女性とお互い気づかぬまま結婚。かりそめの夫婦として暮らすうち、互いに引かれ合っていく――というストーリーで、ギョンスは文武両道に長けたツンデレ世子イ・ユルと、記憶をなくしたマイペースな青年ウォンドゥクの“2役”を演じた。
■アン・ヨハンは「ゴキブリのような存在です」
何をやらせてもうまくいかない“ダメ夫”ウォンドゥクの体に染み付いた、世子らしい“俺様”ぶりは、ギョンスの愛嬌(あいきょう)あるルックスも相まってどことなくコミカル。ナム・ジヒョン演じる妻ホンシムに「これが署名だ」とキスするシーンやバックハグ、最終話のロマンティックなキスなど胸キュンシーンもちりばめられ、ホンシムに少しずつ心を開いていくウォンドゥクにハマる視聴者が続出。
その後も映画やドラマにコンスタントに出演しており、演技のできるアイドル“演技ドル”を超えた本職の俳優としてファンの厚い信頼を勝ち得ている。
そんなギョンスが、最新ドラマ「捏造された都市」では、自身のキャリア初の本格悪役に挑んでいる。
演じるのは、チャンウク演じるテジュンの復讐(ふくしゅう)相手アン・ヨハン。表向きは彫刻家だが、裏では緻密に練り上げられた冤罪(えんざい)計画を仕立て上げ、テジュンをはじめ罪のない人々の“罪を捏造”する極悪キャラクター。ドラマ「君を憶えてる」(2015年)で凶悪犯を演じてはいるが、メインキャラクターとして主人公と対峙(たいじ)するヴィランは今回が初めてだ。
演じるヨハンについて、本作の会見では「邪悪な人物です。どうすればゾッとするような人物に見えるかたくさん考えました」「ゴキブリのような存在です。生命力がものすごく強く、しぶとくて、潰しても潰してもまだ生きているような、そんな人物です」と説明。「人をいかに凄惨に、残忍に殺せるかということについて、アクション監督とたくさん話をしました」と、悪役としての役作りを振り返った。
■趣味は料理、“調理兵”として服務も
プライベートでは料理が“唯一”の趣味だそう。兵役義務で入隊した際には調理兵として服務したことも知られている。俳優のチョ・ジョンソクがMCを務めるYouTubeバラエティー「清渓山デンイレコーズ」(11月4日配信)にチャンウクと共にゲスト出演した際には、「今の仕事をしていなかったら?」の質問に「料理か…ヘアデザイナーだったかもしれません。母が美容師なんです」と打ち明けた。
「捏造された都市」本編へは5話以降出演シーンが拡大していきそうだが、4話まででも濡れ衣を着せるターゲットを“彫刻”と呼び、作品のように扱うなど血も涙もない冷酷な雰囲気を漂わせている。役を離れると穏やかで愛嬌たっぷり、料理好きな青年・ギョンスが“ゴキブリのような存在”だという狂気のキャラクター・ヨハンをどう演じ切るのか楽しみだ。
「捏造された都市」(全12話)は、ディズニープラスのスターで毎週水曜に2話ずつ配信中。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

