尋常性疣贅の前兆や初期症状について
尋常性疣贅には「タコ」や「ウオノメ」のような痛みは、ほとんどのケースでありません。しかし、皮膚の盛り上がりが強い場合には痛みが発生することもあります。皮膚の盛り上がりによって皮膚の1番外側にある表皮と表皮の下に位置する真皮が入り組んだ状態になります。真皮には痛みを感じる組織や血管が多いため、圧迫や激しい摩擦で真皮が傷つくと、痛みや出血を伴う場合があります。このようなケースは、足底疣贅で見られることが多い症状です。
また、尋常性疣贅は種類によってイボが発生する場所は異なり、手足や足底、爪の周辺、爪の下にあらわれます。なかでも手足の皮膚に数mm~1cm程度の小さなイボが見られることが多く、あらわれた尋常性疣贅は次第に数が増えたり、大きくなったりして融合するのが特徴です。
尋常性疣贅の検査・診断
尋常性疣贅の典型例では、ほとんどのケースが視診で診断できます。視診で診断できない場合は、正確な診断のためにダーモスコピー検査や病理組織学的検査、免疫組織学的検査、HPV遺伝子型同定検査を実施するケースもあります。
ダーモスコピー検査
ダーモスコピー検査とは、超音波検査用のジェルを病変部に塗った後、ダーモスコープ(特殊なルーペ)と呼ばれる特殊な機器を表面に当て、病変部の構造を詳しく調べる検査です。皮膚を通る毛細血管の状態も観察できるため、尋常性疣贅の診断に有効な検査となります。
また、検査だけでなく尋常性疣贅の治療中に、病変の残存がどれくらいあるかを確認するための手段としても活用されます。
病理組織検査
病変部位を一部採取し、顕微鏡で病変組織を調べる検査で、他の病気との鑑別をしたい場合に使用されます。具体的には、ボーエン病や日光角化症、エクリン汗孔腫などとの鑑別が行われます。
尋常性疣贅の病理組織検査の所見では、角質の肥厚や表皮が真皮に入り込んでいる部分の延長などが見られます。
免疫組織学的検査
HPV抗原があるかどうかを確認する検査方法です。HPVは正二十面体の球状構造をしたウイルス粒子で、粒子が検出されればHPVに感染していると診断されます。しかし、ウイルス粒子が少ないと検出器で検出できないこともあり、HPVに感染していても陽性所見が得られない場合があります。
HPV遺伝子型同定検査
HPV遺伝子型同定検査は、ダーモスコピー検査や病理組織検査でも診断がつかない場合に、最終的な手段として使用される検査です。尋常性疣贅を引き起こすHPVの遺伝子型を増幅できるものを用いて増幅および解析することで、HPVの型を特定できます。
しかし、検査には針を使用する必要があり身体に負担がかかります。そのため前述のとおり、最終的な手段として活用され、実際に行われる頻度は少ないです。

