
三谷幸喜が脚本、菅田将暉が主演を務めるドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第7話が、11月12日に放送された。久部(菅田)の芝居に出演するお笑いコンビが軸となって物語が進む中、リカ(二階堂ふみ)が前回に続いて樹里(浜辺美波)を言い負かすシーンがあった。(以下、ネタバレを含みます)
■昭和の渋谷を舞台にした青春群像劇
本作は、脚本家・三谷幸喜自身の経験に基づくオリジナルストーリーで、1984(昭和59)年の渋谷を舞台にした青春群像劇。
菅田演じる成功を夢見る演劇青年の主人公・久部三成や、ミステリアスなダンサー・倖田リカ(二階堂ふみ)、三谷をモチーフにした新人放送作家・蓬莱省吾(神木隆之介)、渋谷にひっそりとたたずむ神社の巫女・江頭樹里(浜辺美波)ら、若者たちのくすぶり、情熱、苦悩、恋を描く。
■久部はシェイクスピアの「冬物語」を新たに上演することに
クベ版「夏の夜の夢」初日公演後に事故に遭ったうる爺(井上順)の代役を、シェイクスピア俳優として名を馳せた是尾礼三郎(浅野和之)に頼んだ久部。ただ、是尾が引き受けた条件は、「冬物語」でリオンティーズを演じること。「冬物語」はシェイクスピア後期の名作で、家族愛をうたったロマンス劇だ。昼間は「冬物語」の稽古、夜は「夏の夜の夢」の公演という怒涛の1週間が過ぎた。
いよいよ「冬物語」の上演となり、本番直前に是尾が飲酒するハプニングがありつつ、なんとか終演。そんな是尾は自分の長ぜりふを短くするのが気に入らなく、久部に「どこを焼灼するか、シェイクスピアを上演する際、演出家のセンスが問われるのはそこだよ、君」と言うのだった。
久部は、人手不足から「演出助手の助手の助手」として依頼した樹里に、さらにカットできる部分の意見を聞くことに。樹里と待ち合わせた場所、ジャズ喫茶・テンペストには、リカも客として来ていた。
■樹里の意見に真っ向から反対するリカ
原作を読みこんだ樹里は、“時”と“ポリクシニーズ”というキャラクターの出番をカットする提案をする。久部はそれについてリカに意見を求めた。
リカは「“時”をカットするっていうのは、あり得ないわね。“時”の存在が『冬物語』の一番の特色なの。時間という抽象的な概念に人格を与えて、コロス(※劇の説明をする役割を持つもののこと)として観客に直接訴えかける。こんなことシェイクスピアしか思いつかないわ。それから“ポリクシニーズ”をカットするというのもナシ。あの役をなくすなんていう発想がどうすれば出てくるのか、私にはまったく分からない。理解不能」とまくし立てた。
そんなリカに久部は「リカさんだったらどこを切りますか?」と聞く。すると「『冬物語』は隙のない作品なの。登場人物の誰かをカットするとか不可能だし、どこかのシーンを丸ごとなくすのも無理。全体を少しずつ切っていくしかないわ。せりふを短くして、テンポを出していく。それしかない」と語った。
前回の演劇論に続いて、今回はシェイクスピア論。リカの造詣の深さにあらためて感嘆する。ただ、樹里に対して前回は「もう少し、勉強なさい」だったが、またも「もっと勉強なさい」と言い放ったのは、厳し過ぎる気がしないでもない。
SNSには「冬物語の解釈すばらしい」「リカの持つこういう知性が より彼女を魅力的に映すんだよね」という声が上がりつつ、「なんでリカさんはこんなバチバチしてんだろうな」「リカさんは反対したいだけのようにも見える」「リカさん詳しいけど、樹里ちゃんにダメ出ししたいだけみたいな」とリカの気持ちの謎に関する投稿も寄せられた。
さて、リカはかつての情夫で、町に久しぶりに姿を現したトロ(生田斗真)に八分神社で「泊めてくれよ」と頼まれて断るも、抱きしめられてキスをされる展開に。妖艶なリカと、まさに色男な雰囲気を漂わせるトロだけにドキッとする。それを帰宅した樹里が見てしまい、声を掛けてきたリカのファンである神主の父・論平(坂東彌十郎)に見せまいと慌てるのはかわいかった。
次回、11月19日(水)放送の第8回では、トロが劇の上演中にヤジを飛ばすようだ。そこからどんな波乱があるのか、注目だ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

