開き直った夫の言い分
その晩、圭吾が帰宅し、いつものように曖昧な「ただいま」を告げた瞬間、私は彼をリビングのソファに座らせた。
「圭吾、話し合いたいことがある」
私の目の前に、証拠書類一式と、あの領収書を並べた。彼の顔から、一瞬にして血の気が引いていくのが見て取れた。イヤホンもスマホも、もう彼を守る盾にはならない。
「これ…何だよ」
彼の声は、蚊の鳴くようだった。
「娘が生まれてからもずっと、あなたは会社の同僚と不倫をしていた。彼女の誕生日に『離婚して一緒になる』とかなんとか言って、マリッジリングを渡してたよね」
その私の言葉を聞くと、夫は態度を変えた
「ふっ。よくここまで証拠集めたな」
なんと、夫は謝罪するどころか開きなおり始めたのだ。
「お前さ、これまでみたいな態度で俺がほかの女にいくとか思わなかったわけ?」
まるで私が悪いというかのように、夫は言葉を続ける。
「お前は意味わかんないことでキレるし、話し合いになると不機嫌で無視するだろ?そんなんだから、俺は家で安らげなくなったんだよ。俺は毎日外で働いてきてるのにさ」
「安らぎ…?」
私は夫の言い分についていけず、聞き返すくらいしかできなかった。
「お前が夫婦関係を悪化させてたんだろ?それなのに、俺だけが責められること?」
子育てで余裕がなく、確かに機嫌が悪いことも多かった私。夫はそんな私の弱点、私が後ろめたさを感じる一点を、正確に、そして狡猾に突いてきたのだ。でも、それとこれとは話が別。家庭が気に入らないからと言って不倫に走ることは、決して正当化できはしない。
「子育てで余裕がなかったのは認める。でも、だからといって不倫していいことにはならないよね?」
私が指摘すると夫は議論を投げ出した。
「はいはい。でも、もうお前のことに気持ちはない。俺は彼女と一緒になろうと思ってるから」
夫の投げやりな態度に、私も話し合いは不可能だと思った。
「わかりました。じゃあもうここからは法にのっとって話しましょうね」
私は淡々と告げ、リビングを出て自室に入った。これからは法的・社会的な手続きの話だ。私は静かに彼を制裁する準備をスタートさせた。
あとがき:逆ギレという名の逃避
夫・圭吾の自己中心的な「逆ギレ」が衝撃的でした。自分の責任を認めず、育児に奮闘する妻の弱点を突き、「お前が悪い」と責任転嫁する彼の姿は、まさに"裏切り者の典型"です。
しかし、なつこは一瞬の動揺を見せつつも、最終的には感情を排除。この瞬間、彼女は被害者から、全てをコントロールする戦略家へと変貌を遂げました。この冷徹な覚悟が、後の展開を決定づけます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

