脳挫傷の前兆や初期症状について
脳挫傷は打撃や激しい揺れが起きることで生じるため、前兆はありません。初期症状は、頭痛や瘤(こぶ)のほか、損傷された脳がつかさどる部位の障害が起こりえます。
脳挫傷では脳の側頭葉や前頭葉を損傷するケースが多いため、思考や判断、感情、記憶、運動、感覚、言語などに関する症状があらわれる場合があります。
損傷がごく限られた範囲であれば、脳が受けるダメージも小さいため、症状がほとんどない場合もあります。しかし、損傷が小さくても出血部位が意識を司る延髄などにおよんでいれば意識障害を起こしたり、小脳におよんでいれば嘔吐やめまい、歩くときのふらつきなどが起こります。
意識障害
意識障害とは周りからの呼びかけに正しく反応できなかったり、無反応になったりする状態です。脳挫傷では一時的に意識が消失する場合と、継続的に意識レベルが低くなる場合があります。
運動麻痺
脳内の前頭葉の運動をつかさどる部分が損傷された場合、上手く手足を動かせなくなる運動麻痺をきたす可能性があります。損傷部位が左の前頭葉であれば右側の麻痺、右の前頭葉であれば左側の麻痺といったように、交差的に障害が生じるのが特徴です。
言語障害
前頭葉や側頭葉の言語をつかさどる部分が損傷されると、人が話している内容を理解できなくなったり、話すことが困難となるなどの、言語障害が起こる可能性があります。
記憶障害
前頭葉や側頭葉の記憶をつかさどる部分が損傷されると、過去の記憶を忘れたり、新しいことが覚えられなくなったり、記憶に障害が生じる場合があります。軽症の場合は部分的に覚えていることがありますが、重症になると全ての記憶が失われた状態にもなりえます。
注意障害
前頭葉の注意機能をつかさどる部分が損傷されると、ひとつのことに長時間集中することが難しくなる注意障害が起こります。注意障害は何らかの課題を行った場合、時間の経過とともに成績の低下が見られるのが特徴です。
てんかん
てんかん発作は、脳の損傷をきっかけとして、脳に過剰な電気的興奮が起こることで生じます。てんかんには意識障害や記憶障害を伴うものと、これらを伴わないものがあります。
脳挫傷の検査・診断
外傷や意識状態の確認を行った後、重篤な場合は蘇生措置を行います。その後、CT検査やMRI検査で脳の状態を確認します。
状態が落ち着いた後は、画像検査から予測できる症状を考慮したうえで、必要に応じて運動麻痺や注意障害の程度などを調べる検査を行います。
CT検査
CT検査はX線を使用して脳の状態を撮影する検査で、受傷してからできるだけ早く行います。脳挫傷が生じている場合、造影剤を用いたCT検査において、正常の脳よりも黒くなっている部位(浮腫や壊死)のなかに白い部分(出血)が見られることがあります。
MRI検査
MRI検査は磁場を使用して脳の状態を撮影する検査で、CT検査を行った数日後、医師が必要だと判断したケースで行われることが多いものです。CT検査より解像度が高いため、脳出血・脳梗塞が起きている部位もより詳細に確かめられます。高次脳機能障害の判断材料としても用いられる場合があります。

