ペルテス病の治療
ペルテス病の治療では骨頭へかかる負荷を軽減し、骨頭の形をきれいに保つ目的で進められます。日本では装具を使った保存療法が一般的ですが、子供が装具固定を嫌がった場合や治療期間の短縮を狙う場合には手術療法が検討されます。
また3歳以下で発症した場合は、自然治癒することも多く、特別な治療は行われずに経過観察となるケースもあります。
保存療法
保存療法では、骨頭が潰れないことを大前提に進めていきます。そのため、荷重を減らして骨頭にかかる圧を減らしていかないといけません。
関節の動きが悪い場合は、入院して2~3週間の間、下肢を牽引し、股関節の動きを改善させます。その後、重症度に合わせて外転免荷装具と外転歩行装具などを使用します。これらの装具の使用期間は、重症度にもよりますが 1年~1年半ほど必要になります。
手術療法
手術療法は固定装具を患者が嫌がった時や治療期間を短縮させたい時に検討されます。手術によって骨盤と大腿骨の嵌まり方がきれいになるため、治療期間の短縮につながりやすいとされています。
手術方法は骨盤、もしくは大腿骨の一部を切り取り、骨盤と大腿骨がしっかりと嵌まるように整える方法が一般的です。手術方法は以下に挙げる方法が検討されます。
大腿骨内反骨切り術
Salter寛骨骨切り術
Chiari骨盤骨切り術
大腿骨頭回転骨切り術
これらの手術方法は、大腿骨や骨盤の状態に合わせて検討されます。発症年齢や骨端核の壊死範囲の広さによって予後が左右されるため、経過を丁寧に観察しながら適切な治療方法を選択していきます。
ペルテス病になりやすい人・予防の方法
ペルテス病は原因が不明であるため、完全に予防することはできません。傾向としては運動量が多い活発な男児に発症する確率が高いのが特徴ですが、女児に発症することもあります。
重症化を防ぐためには、早期発見・早期治療が基本です。そのため、小児期で股関節の痛みや可動域の左右差、異常歩行が見られた時にはすぐに整形外科を受診しましょう。
また、体重が重くBMIが高い場合には大腿骨頭にかかる負担が大きくなります。その場合にも重症化のリスクが高まるため、生活習慣を正すことも重要です。
関連する病気
単純性股関節炎
変形性股関節症寛骨臼蓋形成不全
参考文献
井樋栄二, 津村弘 et al 標準整形外科学第15版 医学書院 2023
日本整形外科学会ペルテス病
肥後勝 et al ペルテス病に対する外転位固定装具治療の長期成績 整形外科と災害外科 58 巻 (2009) 3 号

