生理痛の治療
生理痛の治療方法としては、まず生活習慣の改善が挙げられます。適度な運動、バランスの取れた食事、ストレス管理などが症状の軽減に役立ちます。痛みが続く際は市販の鎮痛薬が用いられる傾向がありますが、症状が重い場合は医師の診断を受けることが重要です。
産婦人科やレディースクリニックでは、ホルモン療法や鎮痛剤の処方など、個々の症状に合わせた治療法が提案されます。なかでも低用量ピルの服用は排卵が抑制され、子宮内膜が厚くならなくなるため経血量が減って痛みが改善する効果が期待できます。
また、月経困難症には二次性と呼ばれる、ほかの病気が原因となっているケースもあります。子宮内膜症や子宮筋腫などが該当し、これらの病気が疑われる場合には、超音波検査やMRIなどの詳細な検査が必要です。適切な治療が行われると、症状の緩和だけでなく、将来的な健康リスクの軽減にもつながります。
月経困難症の治療は、患者さん一人ひとりに合った方法を見つけることが成功の鍵です。医師とのコミュニケーションを密に行い、自身に合った治療法を実施しましょう。
生理痛を感じやすい人・予防の方法
生理痛の主な原因の一つは、プロスタグランジンという痛み物質の分泌です。この物質は子宮を収縮させ痛みを引き起こします。10-20代前半の女性に多い原因です。
また、若い女性や出産経験なく子宮口が狭い状態の女性も生理痛を起こしやすいとされています。これは生理中の経血がうまく排出されないことが原因です。
さらに、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因のこともあるため、注意が必要です。
生理痛の感じ方には個人差があり、痛みを感じやすい方とそうでない方がいます。この差は、痛みに対する感受性の違いや、体質、ホルモンバランス、ストレスの有無などが関係しているとされています。例えば、ストレスが多いとホルモンバランスが崩れ、生理痛が悪化する場合があります。
生理痛を予防するためには、いくつかの方法があります。まず、規則正しい生活習慣を保つことが重要です。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠は、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。また、ストレッチや軽い運動を日常に取り入れると、血行がよくなり、痛みの緩和につながります。
ツボ押しやセルフケアも有効とされています。足の三陰交というツボを押すことで、血流がよくなり、生理痛が軽減される場合があります。ほかにも温かい飲み物を飲む、腹部を温めるなどの行為は、痛みを緩和させる効果が期待できます。
症状が重い生理痛は専門的なアドバイスを受けるため、医師に相談しましょう。生理痛に悩む女性は少なくないため、適切な知識やケア方法を知ることが重要です。
関連する病気
子宮内膜症子宮腺筋症子宮筋腫卵巣嚢腫骨盤内炎症性疾患
子宮奇形
過敏性腸症候群慢性骨盤痛症候群
自律神経失調症
参考文献
学校保健研究Jpn J School Health 62;2020;314-323「月経痛による婦人科受診に対する女子高校生と母親の意識」
国立スポーツ科学センター(JISS)「月経について」

