母指CM関節症の治療
母指CM関節症の治療では安静を第一に、炎症を抑えることが必要です。そのうえで、症状に応じて以下の治療法が検討されます。
装具による固定
薬物療法
手術療法
装具による固定療法
母指CM関節では、親指を固定する装具をつける固定療法が行われます。親指が固定されることで母指CM関節の動きが制限され、動作時の痛みを軽減する効果が期待できます。また、装具だけでなくテーピングも有効です。
薬物療法
痛みが強い時には内服薬や湿布を用いて炎症を抑えます。NSAIDsと呼ばれる消炎鎮痛剤や塗り薬、湿布などが処方されます。内服などでも効きが悪い時には、ステロイドの注射も検討されます。
手術療法
手術には「関節固定術」と「関節形成術」の2種類があります。関節固定術は文字どおり、関節をプレートやワイヤーで固定して動きを制限する方法です。
関節形成術では以下のような方法をとります。
大菱形骨という骨の一部を切り取り、腱を使って関節を安定化させる方法
インプラント・人工関節置換術
骨の一部を切り取る方法では切創が小さく僅かであるため、手術後の回復が早い点がメリットです。ただし、骨や腱を切り取るため力が入りにくくなります。
インプラント・人工関節置換術は予後が良く、痛みや脱臼はほとんどの症例で消失します。しかし手術創が大きく、回復に時間がかかる点がデメリットだと考えられます。
母指CM関節症になりやすい人・予防の方法
親指に負担をかけやすい人は母指CM関節症の発症リスクが高まります。具体的には以下のような人が挙げられます。
大工や引越し業など力仕事をする人
織物や手芸など細かい動きを多くする人
また、加齢も母指CM関節症のリスク要因の一つです。特に女性の場合は女性ホルモンの分泌が少なくなる閉経後にリスクが高くなるため、注意しましょう。
予防方法は母指CM関節の機能を保つことが重要です。具体的には、以下に挙げるような運動を継続することが大切です。
母指CM関節のストレッチ
母指CM関節周囲の筋トレ
親指を大きく動かしたり、外側に引っ張るようなストレッチはCM関節の隙間・可動域を維持するのに役立ちます。
また、親指の筋肉を鍛えることで関節の安定性を保つことができます。
女性の場合、若年期から大豆製品を多く摂取すると母指CM関節症を予防できる可能性もあります。大豆に含まれるイソフラボンの代謝物であるエクオールが女性ホルモンの代用になり、関節の保護に働くことが期待されます。
関連する病気
関節リウマチへバーデン結節ドケルバン病
更年期障害参考文献
井樋栄二, 津村弘 et al 標準整形外科学第15版 医学書院 2023
日本整形外科学会母指CM関節症
玉井進母指CM関節症の治療日本リウマチ・関節外科学会1992 年 11 巻 4 号 p. 307-308
内山 成人大豆由来の新規成分 “エクオール” の最新知見日本食品科学工学会誌2015 年 62 巻 7 号 p. 356-363

