実は不倫のために「中学の部活の飲み会」という嘘と「友人の家に泊まり」という伏線を周到に準備していた。甘い会話に嫌悪感を抱きつつ、さくらは証拠集めの準備を進める―――。
夫の気持ち悪い会話
夫の実とマイのやり取りを読み返すと、冷たい怒りが胸の中で凍っていく。
「ねえマイ、俺が好きって言ったらどうする?」
「えー、どうしようかな(笑)」
「俺、会ったらすぐに抱きしめちゃうかも。ずっと会いたかったから」
子持ちのおじさんが何を言っているんだろう。本当に気持ち悪いとしか言いようがない。
彼がこのメッセージをスマホで打っていたその時間は、ちょうど夕食時だった。スマホでこの会話が交わされている間、彼は私に「今日の味噌汁、おいしかったよ」なんて話しかけていたんだろうか。一体どんな心境なのだろう。
夫が不倫旅行を計画
お風呂上がりの夫は、私に明後日の予定についてこうウソを吐いた。
「土曜だけど、中学の部活の飲み会に行くんだ」
「へえ~珍しいね」
私は平静を装って相槌をうつ。
「うん。久しぶりだから顔出そうかなと思ってさ」
そして夫はさらにこう言う。
「多分だけど、遅くなったら友達んち泊まるから。せっかくだから色々積もる話もあるしさ」
―――笑わせないで。
マイとホテルに行く気満々の夫に吐き気がする。そしてその嘘を、バレるとは微塵も思っていないであろう笑顔で口走る。私は自然にふるまうのが難しいほど、怒りで顔が引きつっていたと思う。

