陸上・サッカー・バスケットボール・バレーボールなど跳躍やダッシュを繰り返すスポーツ選手に多くみられる怪我がシンスプリントです。
特に毎日激しい練習をしている選手たちにとって、足の痛みは辛く焦りの元となってしまいがちです。
そこで今回はシンスプリントの予防方法や応急処置方法について解説します。運動時の足の痛みに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)」を発症すると現れる症状はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)の予防・応急処置方法

シンスプリントを予防する方法はありますか?
シンスプリントの予防には、まず運動に適した靴を選ぶことが大切です。スポーツの種目に合わせた靴を選ぶことはもちろん、靴底の安定したものを選びましょう。ソールもクッション性のあるものを選ぶことが大切です。練習を行う路面の状態もシンスプリントの原因になるので路面や環境にも注意を払いましょう。また日頃から体力をつける・筋力をつける・体幹を鍛える・関節の柔軟性を保つなどを考慮するだけでもシンスプリントの予防につながります。
セルフでも応急処置できますか?
シンスプリントの初期症状は運動時のみに疼くような痛みがあることから、つい放置しがちです。しかし悪化を防ぐためにはこの段階でしっかりと治療を行うことが大切なのです。応急処置としては痛む部分を冷たいタオルなどで冷やす、消炎作用のある湿布を使うなどの方法があります。また負担にならないマッサージやストレッチも有効的です。応急処置のみでなく、シンスプリントの発症を防ぐために有効な運動前のストレッチを行います。筋肉の緊張をやわらげ、特にふくらはぎの柔軟性などを高める努力も必要です。
予防におすすめのマッサージ方法を教えてください。
自分でマッサージを行うのなら、下腿内側筋群へのマッサージや後脛骨筋とヒラメ筋へのマッサージを組み合わせると効果的です。あまり力を入れず、指で押すようにゆっくりとマッサージを行います。ただしマッサージは必ず痛みが無くなり、炎症が治まってから行うことが必須条件です。まだ炎症のある状態でマッサージを行うことで、痛みをより強くしてしまう場合もあるので充分に注意してください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
シンスプリントはダッシュを繰り返す陸上やジャンプを行うバレーボール、バスケットボールなどのスポーツ選手に多い怪我の1つです。初期段階では疲労骨折と区別しにくいところがあるのですが、骨膜の炎症を起こすシンスプリントでは、脛の内側下から3分の1くらいが痛みます。比較的若年層に起こりやすいスポーツ障害で、競技中に痛みを感じてもついついそのまま無理をして競技を続けがちです。そのために悪化してしまい、日常生活も難しくなるほど痛みが強くなってしまうこともあります。初期段階に正しく治療することで早めに競技に復帰することも可能です。またシンスプリントを予防するために日頃から体力をつけ体幹をきたえるなど、自分でもできることを実践していきましょう。
編集部まとめ

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)はスポーツ選手に発症しやすい病気です。
骨折ではなく骨膜の炎症が原因で痛みが出ますが、初期段階で無理をせず治療をすれば早めに復帰もできます。
決して痛みを我慢して運動を続けずに、安静にして回復を待つことが大事なのです。
練習中などに足に疼くような痛みを感じた場合には、自己判断せずにできるだけ安静にして、整形外科などを受診してください。足に負担をかけない靴を選ぶことや運動前後、あるいは運動中のストレッチを充分に行うことも必要です。
足に負担をかけない靴を選ぶことや運動前のストレッチを充分に行うことも必要です。
また日頃から基礎体力をつけるなど自分自身の問題点をチェックすることも、シンスプリントの予防につながります。
参考文献
シンスプリントの要因と処置・予防法の検討(筑波大学陸上競技研究室)

