「ポリフェノールを摂りすぎると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士解説】

「ポリフェノールを摂りすぎると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士解説】

ポリフェノールの効果

ポリフェノールの効果

動脈硬化の予防

動脈硬化の原因のひとつに、LDLコレステロールの増加があります。カカオに多いカカオポリフェノール、卵黄や色の濃い葉物野菜に多いルテインや、大豆に多いイソフラボン、果物のフラボノイドには、血中のLDLコレステロールを下げる効果があることがわかってきました。特に閉経後の女性の脳梗塞や心筋梗塞の罹患リスクが低下すると報告されています。適正なLDLコレステロール値維持により、動脈硬化の予防が期待でき、さらに脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが下がります。しかし動脈硬化は、食事・運動不足・多量飲酒・肥満・喫煙習慣なども関連しますので、ポリフェノールの摂り方以外に、生活習慣全般に着目する必要があります。

がんの予防

ポリフェノールには、がんのリスクを低下させる可能性があるという研究結果がいくつかあります。例えば、コーヒーを飲む習慣がない人の肝がん発症率を100%とすると、週に1~2回飲む人は75%、毎日5杯以上飲む人は24%に減少したとの研究があります。また、緑茶のカテキンや大豆のイソフラボンには、一部のがんリスクを下げる可能性が示唆されています。
ただし、これらの効果は食事や生活習慣全体の影響が大きく、ポリフェノールのみで効果を期待するのは不十分です。摂りすぎは健康を害する場合があるため、適量を心がけることが重要です

アンチエイジング

ポリフェノールの抗酸化作用は、しわやたるみを予防する効果があると言われています。緑茶や赤ワインに多いカテキンやコーヒーに多いクロロゲン酸には、コラーゲンを活性化させる報告のほか、大豆に多いイソフラボンやごまに多いリグナンは、女性ホルモンに似た働きによる美肌効果、ブドウの皮やベリー類に含まれるエラグ酸には美白効果があると言われています。
このように、ポリフェノールと言っても、種類や効果は様々です。いろいろな食品から摂取すると、ポリフェノール以外の食品成分も、少しずつ摂ることが可能になります。

ポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

ポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

貧血と便秘

赤ワイン・コーヒー・お茶・柿などに多く含まれている「タンニン」の摂りすぎは、鉄の吸収を妨げたり、腸の動きを抑えたりする働きがあるため、貧血や便秘に繋がりやすくなります。食事の前後は、タンニンを多く含む飲料を避けた方が良いでしょう。また、アルコールやカフェインには、水分を排出する働きがあるため、水も一緒に飲むことをお勧めします。タンニンの過剰摂取だけでなく、アルコールやカフェインの過剰摂取に繋がるため、ワインなら1日1杯、コーヒーなら1~2杯にとどめると良いでしょう。不調を感じた際は、内科を受診するのがおすすめです。

歯が黄ばむ

ポリフェノールは色素成分のため、タンパク質と結びつくと色素が沈着し、歯が黄ばんでしまいます。飲食後はできるだけ早く口をゆすいだり、食後の歯磨きをしっかり行うことが大切です。色素が落ちにくいときは、歯科医に相談するのがお勧めです。

配信元: Medical DOC

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