「慢性心不全」の初期症状をご存じですか? 早期発見のポイントを併せて医師が解説

「慢性心不全」の初期症状をご存じですか? 早期発見のポイントを併せて医師が解説

慢性心不全の前兆や初期症状について

急性心不全は急激な胸痛によって発症しますが、慢性心不全はゆっくりと進行するため症状に気が付かない可能性があります。例えば、少し動いただけで息切れがする、疲れやすいなどの症状も慢性心不全の前兆の1つです。他にもドキドキする、不整脈があるなども心不全の初期症状として挙げられます。

また、体内に血液が溜まってしまうことで、体がむくみやすくなります。
ふくらはぎや足の皮膚を手で押しても戻らない場合は体がむくんでいる状態です。
全身のむくみは体重増加を引き起こすため、太ったと勘違いされる方もいるかもしれません。

心不全は重症化すると肺に水が溜まるため、風邪のように咳がでたり、ピンク色の痰がでたりすることがあります夜寝ているときだけ呼吸困難が起きたり(夜間発作性呼吸困難)、体を起こしていない苦しかったり(起坐呼吸)する場合は、心不全が進行した状態です。

慢性心不全の検査・診断

慢性心不全の診断基準の1つがフラミンガム(Framingham)基準です。

大項目を2項目、あるいは大項目を1項目および小項目を2項目以上当てはまった場合は慢性心不全と診断されます。

必大項目 小項目

・発作性夜間呼吸困難
あるいは起座呼吸 ・足の浮腫

・頸静脈怒張 ・夜間の咳

・ラ音聴取(肺雑音) ・労作時呼吸困難

・心拡大 ・肝腫大

・急性肺水腫 ・胸水

・III音奔馬調律(心雑音) ・肺活量最大量から1/3低下

・静脈圧上昇>16cmH2O ・頻脈(心拍≧120拍/分)

・循環時間≧25秒

・肝頸静脈逆流

大項目あるいは少項目

・治療に反応して5日で4.5kg以上体重が減少した場合

 

項目において有用な検査は以下の通りです。

問診・視診・聴診

医師の診察によって首の周りの静脈が太くなっていないか(頸動脈怒張)、肺や心臓に変な音が混じっていないかを確認します。
心不全が疑われる場合、肺ではゴロゴロ、ブツブツした音(湿性ラ音)、心臓では馬が駆け足で走るような音(III音奔馬調律)が聞こえます。
爪を5秒間圧迫し、圧迫をやめて赤みが戻るまでの時間が2~3秒以上あるかどうかも心不全の有用な判断基準です。

画像検査

胸部のレントゲン写真では心臓が拡大しているかどうか、胸水が溜まっているかどうかを調べることができます。
正常な場合、心臓の幅は胸の幅の大きさの半分以下です。
胸水が溜まっていると肺の下の方がぼやけて見えます。

MRIではより詳細に心臓や肺の状態が分かったり、レントゲンでは写りにくい肝臓の状態も観察可能です。

心電図

心電図では頻脈・徐脈や不整脈の有無を確認することができます。
心筋梗塞などの診断には有用ですが、心不全特有の所見はないといわれているため、心電図のみでの診断はできず、他の検査との併用が必要です。

心エコー

心エコーは心臓の大きさや心臓の壁の厚さ、弁の動きや心臓のポンプの動きを確認することができます。
聴診で聞いた音の原因を探ることが可能で、弁膜症の診断には必ず必要な検査となります。
心臓が広がる機能が正常に働いているかも調べることができ、心不全の原因を探る検査といっても良いでしょう。

心臓カテーテル検査

心臓カテーテル検査は、プラスチックの管や金属のワイヤーを手首や太ももの血管から心臓に通して心臓の血管を検査します。
X線撮影装置を用いて撮影(造影)することで、心臓の周りの血管のつまり具合が診断可能です。血管内の圧力も測定できるため、心不全の大項目である静脈圧上昇の有無が分かります。

血液検査

血液検査にてBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)などを調べると心不全の有無を推定できます。BNPとは心臓が負担を受けた時に、心臓自らを守るために心臓が出すホルモンの一種です。
病院によってはBNPの副産物であるNT-proBNPを検査する場合もあります。

配信元: Medical DOC

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