インフルエンザウイルスにはA・B・Cの3つの種類があり、主にA型とB型が流行しやすいとされています。
本記事ではインフルエンザB型の初期症状についてご紹介します。
※この記事はMedical DOCにて『「インフルエンザB型の初期症状」はご存知ですか?A型・C型の違いも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
吉川 博昭(医師)
医学博士。日本ペインクリニック学会専門医、日本麻酔科学会専門医・指導医。研究分野は、整形外科疾患の痛みに関する予防器具の開発・監修、産業医学とメンタルヘルス、痛みに関する診療全般。
インフルエンザB型の初期症状や特徴

インフルエンザB型の初期症状を教えてください
インフルエンザB型は、A型とは異なる特徴的な初期症状がみられます。
B型は消化器系の症状が多く、下痢や腹痛、吐き気などのお腹の不調が初期に現れることがあります。これに加えて、発熱(38度前後)、全身の倦怠感、のどの痛み、鼻水、咳などのインフルエンザの症状が見られることもあります。
A型のように急激な高熱や関節痛が目立ちにくいこともあり、症状が軽いため風邪と勘違いしやすいため注意が必要です。特に、お腹の不調がある場合は、インフルエンザB型の可能性も考え、早めの受診を検討しましょう。
インフルエンザB型の症状に特徴はありますか?
インフルエンザB型は、腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状が現れやすいのが特徴です。なかでも、小児では症状が強く出やすく、脱水症状に注意が必要とされています。
また、B型はA型よりも高熱(39度以上)を伴わないことが多く、微熱(38度以下)や倦怠感が続くケースがみられます。そのため、風邪と間違えてしまうこともありますが、数日後に発熱が現れることもあるため注意が必要です。
さらに、B型はA型より症状が長引く傾向があり、長期間にわたって微熱や消化器症状が続くことがあります。発熱がないからといってインフルエンザではないと判断せず、全身の倦怠感や関節痛などの症状がある場合は、感染対策を行い早めに受診することをおすすめします。
インフルエンザB型が重症化するとどうなりますか?
インフルエンザB型は、適切な治療や自宅療養で回復します。しかし、なかには、肺炎やインフルエンザ脳症などの重い合併症を引き起こし、入院が必要になることもあります。
① 肺炎
高齢者に多く、インフルエンザによる炎症で気道粘膜が傷つくことで、肺炎球菌などの細菌が感染しやすくなります。咳が長引く、息苦しいといった症状がある場合は注意が必要です。
② インフルエンザ脳症
1〜5歳の幼児に多く、過剰な免疫反応が原因と考えられています。けいれん、意識障害、異常行動などの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
特に高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患を持つ方は重症化しやすいため、早めの治療と予防が重要です。
編集部まとめ

ここまでインフルエンザB型の初期症状についてお伝えしてきました。インフルエンザB型の初期症状の要点をまとめると以下のとおりです。
インフルエンザB型は「B型インフルエンザウイルス」が体内に侵入し、気道や肺で増殖することで発症する感染症のこと
インフルエンザB型は人間にしか感染せず、動物を介した変異が起こらない
インフルエンザB型の初期症状として、下痢や腹痛、吐き気などのお腹の不調が挙げられる
インフルエンザB型は、A型よりも症状が軽いこともありますが、下痢や腹痛などの消化器症状を伴いやすく、長引く傾向があるため注意が必要です。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
インフルエンザQ&A|厚生労働省

