慢性膵炎の前兆や初期症状について
初期の段階では、お腹と背中の痛みが最も多くみられます。腹痛は、お酒を飲んだあとや脂肪分が多い食事をとりすぎたときに起こりやすいです。慢性膵炎を発症すると5年から10年と長期間にわたり、お腹や背中の痛みや急性膵炎を繰り返します。
まれに、痛みがなく症状が出ないまま進行することもあります。病気が進むと膵臓の働きが悪くなり、痛みはだんだん軽くなってやがて消えてしまうこともあります。
また食べ物の消化吸収機能が落ちると、脂肪が多い食べ物をうまく消化できず、便が黄色っぽくなって油が浮いたような便がでます(脂肪便)。また栄養状態が悪くなることで、体重が減少します。さらに血糖値がうまくコントロールできなくなると糖尿病を発症し、のどの渇きや尿量が増えるといった症状が現れます。
慢性膵炎の検査・診断
慢性膵炎の診断は、主に診察・血液検査・画像検査によって行われます。
診察
お腹や背中の痛みなどの症状から慢性膵炎を疑います。次に血液検査や画像検査で慢性膵炎の特徴的な所見があるかどうかをくわしく確認していきます。
血液検査
膵臓の細胞が壊れているかどうかを示す「アミラーゼ」という酵素の値を調べます。
画像検査
①腹部単純X線検査
膵石症の診断に使われます。痛みを感じず検査できますが、膵石のある進行した慢性膵炎の診断しかできません。
②腹部超音波検査(US)
膵臓の形や大きさ、膵管の太さ、膵石の有無、膵仮性嚢胞(すいかせいのうほう)の有無を確認します。
③ CT検査
腹部全体を確認できます。慢性膵炎に合併しやすい膵臓がんの診断もできます。
④MRI
磁気を使った検査です。進行した慢性膵炎の診断ができます。
④超音波内視鏡検査(EUS)
超音波装置がついた内視鏡を使って、胃や十二指腸の壁から膵臓に超音波を当て、膵臓全体、胆管や胆のうなどの周囲の臓器をくわしく観察します。EUSは早期の慢性膵炎を診断できます。
⑤内視鏡的逆行性水胆管造影法(ERCP)
内視鏡を使い、十二指腸にある胆管の出口から膵管内に造影剤を注入し、膵管や胆管の形に異常がないかくわしく確認できる検査です。膵液をとり、膵臓がんの診断にも使われます。

