「慢性膵炎」の原因・症状を医師が解説 アルコールとの関係や早期発見のポイントとは

「慢性膵炎」の原因・症状を医師が解説 アルコールとの関係や早期発見のポイントとは

慢性膵炎の治療

慢性膵炎は病状の変化によって、「潜在期」「代償期」「移行期」「非代償期」の4つの段階に分けられます。

代償期ではお腹や背中の痛みを繰り返しますが、移行期になると膵臓の働きが徐々に低下し痛みはしだいに和らいでいきます。

非代償期では膵臓の機能は失われ、痛みはさらに軽減し消えることもあります。しかし次は食べ物の消化不良による栄養不足や糖尿病を発症するなど新たな問題が起こります。治療は各段階に合わせておこなっていきます。

代償期の治療

代償期では、お腹の痛みを抑える治療が中心となります。痛み止めや痛みの原因となる炎症を抑える薬を内服します。

腹痛はお酒を飲んだ後や脂っこい食事を摂りすぎたときに出やすいので、断酒や短期的に低脂肪食にします。しかし長期間脂肪を控えすぎると栄養が足りなくなる可能性があるため、注意が必要です。痛みが消えない場合は、内視鏡や手術による治療を検討します。

非代償期の治療

①消化吸収不良に対する治療
非代償期になると、食べ物の消化吸収不良の症状がでてきます。膵臓の働きが悪くなると、脂肪を中心とした食べ物をうまく消化できず、栄養が便として逃げてしまい、十分なカロリーを摂取できず体重が減ります。

そのため治療として、食事の前に食べ物の消化吸収を助ける消化酵素を補充できる薬を内服します。非代償期では栄養不良にならないように、脂肪を控えた食事はしません。

②血糖値のコントロール不良に対する治療
非代償期では、血糖値の調整がうまくできなくなり、糖尿病を発症しやすくなります。この場合は、血糖値を下げるためにインスリン注射や糖尿病の薬の内服が必要になります。

慢性膵炎になりやすい人・予防の方法

慢性膵炎のうち7割は、お酒の飲みすぎが原因でおこるアルコール性慢性膵炎だといわれています。予防のためには、禁酒またはお酒の適量摂取が重要です。

お酒の適量は1日純アルコール約20gまでといわれています。ビールなら中瓶(500ml) 1本以下、日本酒なら1合以下、焼酎なら200mlのコップ半分以下の量となります。適正な飲酒量を守ることで慢性膵炎の発症を予防することができます。少しずつお酒の量を減らしていき、適量に近づけていきましょう。またタバコも慢性膵炎の発症に関連しているため、禁煙を心がけましょう。


関連する病気

急性膵炎

膵石症

膵仮性嚢胞(すいかせいのうほう)

膵臓癌

糖尿病

参考文献

日本消化器病学会 慢性膵炎診療ガイドライン2021

日本消化器病学会 慢性膵炎ガイド2023

アルコールと膵臓病|厚生労働省 e-ヘルスネット

アルコール|厚生労働省 健康日本21

一般のみなさまへ|日本消化器病学会

配信元: Medical DOC

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