暑くて眠れない時はどうすれば良い?メディカルドック監修医が対処法や考えられる原因・病気などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
暑いと眠れないのはなぜ?
暑いと眠れないのは、眠りに必要な体温の調節がうまくできないからです。人間の体温には、脳や臓器の体温「深部体温」と、皮膚の表面温度「皮膚温」の2種類があります。私たちが眠りにつく際は、この2種類のうち「深部体温」が下がることが分かっています。
しかし、室温が高い・発熱しているなどの場合、体が熱を放散できず、深部体温は下がりにくくなります。その結果、暑いと寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするのです。
暑くて眠れないときの主な原因と対処法
暑くて眠れない場合、考えられる原因はいくつかあります。原因ごとの対処法を見ていきましょう。
夏の夜に暑くて暑くて眠れない場合の対処法
夏の夜に眠れないのは、室温が高いため深部体温がうまく下がらないことが主な原因です。
以下のような工夫で、快適に感じる室温を保ちましょう。
エアコンを適切に使う
・寝る少し前から部屋を冷やしておくのも良い
・冷えすぎないよう、風は直接体に当たらない向きに調整する
・一晩中つける方が室温は安定する
寝具を工夫する
・吸湿性や通気性のよいシーツやパジャマを選ぶ
・接触冷感素材を選ぶのもよい
外からの熱を遮断する ・遮光や断熱効果のあるカーテンを使用すると、外からの熱を遮断できる
また、就寝1〜2時間前の入浴も、血流が良くなり熱が発散されるため良質な睡眠につながります。脱水を防ぐため、水分摂取も心がけましょう。ただし、カフェインやアルコールは睡眠の質を下げてしまいます。夕方以降のカフェイン摂取は控え、寝酒は避けましょう。
風邪・発熱で暑くて眠れないときの主な原因と対処法
風邪やインフルエンザをはじめとする感染症になると発熱し、暑くて眠れなくなることがあります。おもな症状は、発熱、体全体の暑さや寒気、頭痛やだるさなどです。発熱時の暑さには、首すじや脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。処方された解熱剤があれば、服用するのもよいでしょう。また、 脱水予防には水分補給も欠かせません。経口補水液やスポーツドリンクなど、塩分・糖分が適度に含まれた水分をこまめにとるようにしましょう。
ただし、38.5℃以上の高熱が続き水分が取れない、呼吸が苦しいといった場合は、感染症が改善していなかったり、重症化していたりする可能性があります。医療機関の受診も検討しましょう。
夏以外の季節で夜に暑くて眠れないときの主な原因と対処法
夏以外でも夜に暑くて眠れない場合、自律神経のバランスが乱れたことが原因かもしれません。ストレスや生活習慣の乱れが続くと、体を調節する自律神経のバランスが崩れ、体温や睡眠に影響が出る可能性があるのです。
自律神経のバランスが乱れたことによる症状を、いくつか紹介します。
・動悸がする
・寝汗が増える
・不眠やイライラが出る
・手足が冷えるのに体は熱い
自律神経のバランスを整えるには、ストレスをためない、リラックスするなどがおすすめです。入浴したりアロマを利用したりするのもよいでしょう。生活に支障をきたすほどの症状の場合は、心療内科や精神科に相談してみるのも一つの方法です。
体がほてる・暑くて眠れないときの主な原因と対処法
顔や体がほてり、暑くて眠れない場合、ホルモンバランスの変動による可能性も考えられます。保冷剤や濡れたタオルなどを使ったり、通気性のよい寝具やパジャマに変えたりしてみてください。
考えられる病気は更年期障害です。動悸や食欲低下、気分の落ち込みなどもあり、症状が強い場合は、婦人科を受診しましょう。
背中が暑くて眠れないときの主な原因と対処法
背中だけが暑くて眠れない場合、寝具や寝姿勢が原因で熱がこもっている可能性があります。以下のような対処法を試してみましょう。
・通気性がよく、背中に熱がこもりにくい寝具を選ぶ
・仰向け寝ではなく、横向きで寝る
なお、抱き枕を使うと、横向きで寝やすいかもしれません。
ただし、背中の暑さは自律神経やホルモンバランスの乱れが関連していることもあります。
症状が改善せずに眠れない日々が続く、ほてりや動悸があるなどの場合は、内科を受診しましょう。
お風呂上がりに暑くて眠れないときの主な原因と対処法
お風呂上がりに暑くて眠れないのは、入浴によって一時的に深部体温が上がるためです。体温調節に関わる自然な症状のため、基本的には心配ありません。
入浴直後は血行が良くなり暑く感じやすいため、就寝の1〜2時間前に入浴を済ませるようにしてみましょう。
また、湯温が高いと神経が興奮状態になり、寝つきを妨げる可能性もあります。お風呂の設定温度が高すぎないかも見直してみてください。
ただし、入浴後以外でも頻繁にほてりを感じる、生活習慣を見直しても続く場合、ホルモンや自律神経の異常も考えられるため、かかりつけの医療機関で相談してみましょう。

