「生より賢い」冷凍という選択──安い時にまとめ買いして冷凍も
冷凍は「生鮮の代替」「妥協の選択」と捉えられがちでした。しかし検索データが示すのは、冷凍を積極的に選ぶ家庭の姿です。総務省「2020年基準消費者物価指数」によれば、2025年8月の生鮮野菜価格は全体で118.7と高止まりが続いています。特にたまねぎ148.0、さやいんげん141.3、じゃがいも124.5、ブロッコリー120.4など、主要野菜の多くが高値で推移しています(※5)。
野菜は天候に左右されやすく、価格変動が大きいため、「安い時にまとめ買いしたい」というニーズは以前から存在していました。しかし生鮮野菜は傷みやすく、大量購入にはリスクが伴います。そこで「特売の時にまとめ買いして、冷凍庫に"貯める"」という選択が広がっています。クックパッドに寄せられたコメント(つくれぽ)にも、「二束100円の特売で大量購入。生のまま冷凍」「お安い時に冷凍保存しておきます」「野菜の高騰が続くので上手に冷凍」といった声が多数見られます。
冷凍野菜には多くのメリットがあります。凍ったインゲンは手で折って使え、包丁いらず。ナスは冷凍することで組織が壊れ、味が染み込みやすく"仕込まれた"状態になります。ゴーヤも苦味が和らぎ、子どもでも食べやすくなります。小松菜は洗って切って冷凍しておけば、味噌汁やスープにそのまま投入可能。キャベツは千切りにして冷凍すれば、お好み焼きや炒め物に便利です。
実際にクックパッドのユーザーからは、「生のまま冷凍できるとは便利」「冷凍できるんですね!」といった発見の声や、「冷凍しとくとスープや炒め物、ちょっと使い便利」「使い切れるか心配だったので冷凍保存しました」といった実践の声が寄せられています。「冷凍は劣化」ではなく、「時間を味方につける調理の知恵」──こうした認識の転換が、検索データの増加に表れています。
時間がない、予定が合わない──「続けるための技術」としての冷凍
共働きも増え、家庭の時間は限られています。家族の予定が合わない、残業で遅くなる、子どもの習い事で夕食時間がずれる──買った野菜を予定通りに消費できないことは日常茶飯事です。
冷凍は、その「使い切れない現実」を受け止める緩衝材として機能しています。特売の時にまとめ買いしても、家族の予定が合わずに消費できなくても、頂き物が多すぎても、大きな野菜を一度に使い切れなくても、一度冷凍すれば時間を止められます。罪悪感なく、必要な時に必要な分だけ使える。
休日に野菜を洗い、切り、冷凍しておく。平日の夜、疲れて帰ってきても、冷凍庫から取り出せばすぐに調理できる。これは単なる「時短や保存」ではなく、「野菜を現代の食卓に合わせる知恵」の一つだと言えます。
高野豆腐(凍り豆腐)は、冬の寒さの中で偶然生まれた食文化でした。凍らせて乾かすことで、食材を長く保つことができるという知恵です。現代の冷凍保存は、それと同じように「時間を保存する」技術であり、「忙しさを越えるための知恵」なのです。
すべての食卓は、献立を考えるだけでなく、食品ロスという環境課題とも向き合っています。こうした知恵が地域や世代を超えて共有されるのは、インターネットがもたらした現代の大きな恵みです。クックパッドは、その知恵の循環を後押しし、「毎日の料理を楽しみにする」人を増やす活動を続けてまいります。

