「エプーリス」の原因をご存じですか? なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

「エプーリス」の原因をご存じですか? なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

エプーリスの前兆や初期症状について

成長が緩慢であるため、初期段階では気づかれにくいことがあります。通常、痛みを伴わないことが多く、初期段階では自覚症状がほとんどない場合が一般的です。しかし、大きくなるにつれて周囲の歯肉や歯に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、歯肉の腫れ(エプーリスは歯肉に隆起した腫瘤)として現れることがあります。

最初は小さな突起物として認識されることが多く、大きさは小豆大から鶏卵大までさまざまです。また、色の変化もあります。
腫瘤の表面は通常、健康な歯肉とほぼ同じ色をしていますが、肉芽腫性や血管腫性のエプーリスの場合、赤みを帯びることがあります。特に血管性エプーリスでは、柔らかく出血しやすい特徴があります。また、表面の質感は、平滑であることが多いようですが、結節状や分葉状になることもあります。これにより見た目が気になる場合があります。腫瘤が大きくなることで、歯と接触し出血や潰瘍を形成することもあります。また、成長に伴い周囲の骨に圧迫を与え、歯の動揺を引き起こすこともあります。

エプーリスの病院探し

歯科口腔外科の診療科がある病院やクリニックを受診して頂きます。

肉芽腫「にくげしゅ」とは

炎症反応による病変で、異物や感染に対する防御機構として形成される特徴的な細胞集合体です。

エプーリスの検査・診断

視診と触診
専門医が患者さんの口腔内を観察し、腫瘤の大きさ、形状、色、質感を確認します。エプーリスは通常、健康な歯肉から隆起しており、表面は平滑または結節状であることが多いようです。また、触診によって腫瘤の硬さや柔らかさも評価されます。これにより、悪性腫瘍や他の良性腫瘍との鑑別が行われます。 病理検査
視診と触診だけでは確定的な診断は難しいため、病理検査が行われることがあります。腫瘤の一部を切除し、顕微鏡で組織を観察します。病理検査によって、エプーリスの種類(肉芽腫性、線維性など)や悪性の可能性を評価します。特に、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合には、この検査が重要です。 画像診断
必要に応じて、画像診断(X線撮影など)が行われることもあります。これにより、腫瘤の周囲の骨構造や歯根との関係を評価し、エプーリスがどの程度周囲組織に影響を与えているかを確認します。特に骨形成性エプーリスの場合には、この情報が重要です。

鑑別診断

口腔癌
悪性であり迅速な治療が必要です。 脂肪腫と線維腫
良性ですが異なる治療方針のため、鑑別が必要です。
【脂肪腫】
治療は基本的に手術による切除が行われますが、比較的小さな場合は局所麻酔での日帰り手術が可能です。再発のリスクは低く、完全に摘出すればほぼ治癒します。
【線維腫】
その硬さや発生部位によって切除方法が異なる場合があります。特に浸潤性のある線維腫の場合、周囲の正常組織も含めて切除する必要があり、手術が複雑になることがあります。また、再発する可能性も考慮しなければなりません。 歯肉炎や歯周病
慢性的な炎症による変化です。
配信元: Medical DOC

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