眼精疲労を改善する方法と病院での治療

眼精疲労を自分で改善する方法はありますか?
はい、日常生活で工夫できる方法がいくつかあります。代表的な改善策は下記のものです。
定期的に目を休ませる
近くを見る作業をする場合、20分に1回、20秒間、20フィート(6m)先を見る、20‐20‐20ルールが推奨されています。
作業環境を見直す
目に負担をかけない環境づくりも重要です。例えば、ディスプレイは目から40cm以上離し、画面の上端が目の高さより下になるよう調整します。部屋の照明は明るすぎず暗すぎずに設定します。
目の乾燥対策をする
ドライアイ気味の方は、市販の人工涙液で潤いを補給するのも有効です。また、集中しているとまばたきが減るため、意識してまばたきをしたり、休めたりすることでドライアイの症状が軽くなります。
ホットアイマスクで目を温める
まぶたを温めると血行がよくなり、眼精疲労の症状が和らぐことがあります。特に、市販のホットアイマスクを1回5分、1日2回ほど行うと、ドライアイや目の疲れが改善することがあります。
全身のリフレッシュ
目だけでなく身体全体の疲れを取ることも大切です。ときどき席を立って軽くストレッチをしたり、肩や首を回したりして凝りをほぐしましょう。
こうしたセルフケアで多くの場合症状が楽になります。ただし、改善しない場合は無理をせず眼科医に相談しましょう。
眼精疲労で眼科を受診してもよいですか?
はい、もちろんです。 むしろ、「ただの疲れ目だろう」と自己判断せず、症状がつらいときや長引くときは眼科を受診することをおすすめします。繰り返しになりますが、眼精疲労だと思っていたら白内障や緑内障などの病気が隠れている場合もあります。眼科では目の状態を詳しく検査し、ほかの病気がないか調べます。診察の結果、特に病気が見つからなくても、具体的な対策をお伝えすることができます。症状に応じて適切な目薬や治療法も提案してもらえますから、「疲れ目ごときで受診していいのかな?」と遠慮せず、気軽に眼科医に相談してください。
眼科での治療法を教えてください
眼科ではまず原因の特定と除去を行います。例えば、視力検査をして今の目に合ったメガネに作り直したり、老眼があれば適切な度数の老眼鏡を処方したりします。ドライアイが見つかれば潤いを補う目薬を使って治療します。こうした原因への対処と並行して、症状を和らげるための薬も用いられます。ピント調節の筋肉をリラックスさせる目薬や、神経の疲れに効くとされるビタミンB12配合の目薬などが代表的です。このように眼科で治療を受けながら、先述のようなセルフケアも取り入れていくことで、つらい眼精疲労は少しずつ改善していくはずです。
編集部まとめ

眼精疲労は単なる疲れ目ではなく、目と全身に現れる深刻な疲労状態です。長時間のデジタル機器使用や合わないメガネなど、誰もが陥りがちな原因で起こりうるため注意が必要です。幸い、適度な休憩や環境調整、目を労わるセルフケアによって多くの場合は改善が期待できます。まずは目を酷使しない工夫を日常に取り入れ、症状の悪化を防ぎましょう。また、十分な休息をとっても症状が続くときは無理せず専門の眼科医に相談することが大切です。この機会にぜひ目の健康管理を見直し、大切な目をケアしていきましょう。
参考文献
日本眼科学会:眼精疲労(目の疲れ)
日本眼科医会:屈折異常と眼精疲労

