胃腸炎は、ウイルスや細菌などの感染により胃や腸に炎症が起こる病気です。嘔吐や下痢といった症状が代表的ですが、発熱を伴うこともあり、風邪やほかの感染症と区別がつきにくいこともあります。特に発熱を伴う場合は、体力の消耗が早く脱水や食事がとれない状況に陥ることもあるため、注意が必要です。本記事では、胃腸炎による発熱の特徴や経過、対処法についてわかりやすく解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
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胃腸炎の概要

胃腸炎とはどのような病気ですか?
胃腸炎とは、胃や腸に炎症が起こることで、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などの消化器症状を中心に現れる疾患です。感染性のものが大半を占めており、原因となるウイルスや細菌が口から体内に侵入することで発症します。子どもから高齢者まで広く見られる病気であり、症状の程度には個人差があります。軽症であれば自然に治癒することもありますが、体力が落ちている方や高齢の方では重症化することもあります。ときに発熱や全身倦怠感などを伴うこともあり、体調の変化をよく観察することが重要です。
胃腸炎の原因を教えてください
胃腸炎の原因にはさまざまなものがありますが、大きく分けるとウイルス、細菌、寄生虫、薬剤、アレルギーなどが挙げられます。なかでもウイルス性胃腸炎が一般的で、冬季に流行するノロウイルスや乳幼児に多いロタウイルスなどが知られています。細菌性ではカンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオなどが原因となり、食中毒として発症することもあります。汚染された水や食物、または人との接触によって感染が広がることがあるため、日常的な手洗いや食品の加熱など、予防対策が大切です。
胃腸炎による発熱の特徴

胃腸炎で熱が出ることはありますか?
はい、胃腸炎では発熱を伴うことがあります。身体がウイルスや細菌などの病原体と戦う反応として発熱が生じるため、感染性の胃腸炎ではよく見られる症状です。特にウイルス性の場合は38度前後の発熱が数日続くことがあり、細菌性の場合はより高熱が出たり、持続期間が長くなったりすることもあります。発熱に伴って悪寒や関節の痛み、全身の倦怠感などを訴える方も多く、胃腸症状と合わせて体力を消耗しやすい状態になります。
嘔吐を伴わない下痢と発熱のみの胃腸炎もありますか?
はい、嘔吐を伴わずに下痢と発熱のみで経過する胃腸炎もあります。胃腸炎と聞くと嘔吐を想像される方が多いかもしれませんが、必ずしもすべての症状が同時に出るわけではありません。特にカンピロバクターやサルモネラといった細菌性胃腸炎では、下痢と発熱が中心で、嘔吐は見られないことも少なくありません。また、体調や年齢によっても症状の出方に個人差があるため、嘔吐がないから胃腸炎ではない、とはいい切れません。下痢と発熱が続く場合は、胃腸炎の可能性も含めて医療機関で相談することをおすすめします。
胃腸炎による発熱の特徴を教えてください
胃腸炎による発熱は、急に始まることが多く、発症初日から体温が38度前後まで上がることがあります。ウイルス性では微熱〜38度程度のことが多く、1〜3日程度でおさまることが一般的です。一方、細菌性の場合はより高熱(39度以上)となることもあり、発熱の持続期間も長くなる傾向があります。また、熱の高さに関わらず、食欲不振や脱水、倦怠感などの全身症状が強く出ることもあるため、発熱の有無だけでなく全体的な体調を注意深く観察することが大切です。
胃腸炎の発熱は何日程度続きますか?
ウイルス性胃腸炎であれば、発熱は1〜3日程度で自然に解熱することが多く、長くても4日以内には落ち着くのが一般的です。細菌性の場合は、発熱が4〜5日続くこともあり、適切な抗菌薬治療が必要になることもあります。解熱後も下痢が続くことはありますが、全身症状が改善し食事がとれるようになれば、快方に向かっていると判断できます。

