ナルコレプシーの治療方法

ナルコレプシーは治療できますか?
根治は現状難しいものの、症状を抑えることで日常生活への影響を防ぐことができます。受診により病気と自覚し周知すれば、周囲からの理解を得られ寛容に受け入れてもらうきっかけとなるでしょう。そして、悪影響となる行為を避けることで生活改善となり薬物療法と併せて社会生活を円滑に過ごすことが可能になります。
ナルコレプシーの治療方法を教えてください。
生活指導と薬物療法を組み合わせた治療が行われます。十分な睡眠と、10分〜30分程度の短い昼寝も有効です。そのほかにカフェインを控えるなど症状を悪化させる要因を排除した生活を心掛け、医師の指示に従った薬物療法と組み合わせることで、日常生活で生じる支障はほぼ解消できます。
ナルコレプシーの治療薬と副作用を教えてください。
ナルコレプシーの治療薬は次の症状を抑えるための対症療法です。日中の強い眠気には覚醒を促すもの
情動脱力発作・幻覚・睡眠麻痺にはレム睡眠を抑制するもの
睡眠の分断(夜間の中途覚醒)には睡眠を促すもの
日中の強い眠気を抑える治療薬には、モダフィニル・ペモリン・メチルフェニデートがあり、交感神経を刺激して覚醒を促す作用機序です。交感神経に伴う動悸などの胸部症状や悪心嘔吐や発汗・頭痛なども副作用に含まれます。また、夜間まで覚醒作用が持続すると、かえって眠れなくなることもあるので注意が必要です。対して、睡眠分断には抗精神薬(睡眠導入剤・鎮静剤)を使用し睡眠を促します。情動脱力発作と入眠時幻覚や睡眠麻痺に対して使用されているのはレム睡眠を抑制する作用がある抗うつ薬です。主に用いられるクロミプラミン・イミプラミンなどは急に中止すると症状が増悪する可能性があるため気を付けましょう。治療薬の研究開発は現在も続いており、新たな作用機序をもつ治療薬の誕生が期待されています。
治療のために生活で気を付けることはありますか?
日頃の心がけで、症状の増悪を防ぎ快方に向かうことができます。日中の眠気をできるだけ抑え、規則正しい生活をして十分な睡眠をとることが必要です。コーヒーやアルコールなどの刺激物は睡眠の妨げにもなるため控えた方が賢明でしょう。また、短時間の昼寝が有効なのでお昼休みなどを利用すると時間がとりやすいですが、難しければトイレに座って5分程度眠るだけでも効果的です。休日は無理をせず眠い時は眠ることでしっかり身体を休める基本的なところも忘れてはいけません。加えて、正しい内服も重要です。
編集部まとめ

ナルコレプシーは人数も少なく認知度も低いことで、怠け者や不真面目など誤解を受けてきた方もいるでしょう。したがって、理解を得ることで社会生活が送りやすいものになるため早期の受診が重要です。
また、生活リズムを整え適切な内服を続けることで支障なく社会生活が送れるほどの回復が期待できます。
現時点での根治治療はないものの研究開発は続いており新たな治療薬の完成が期待されています。
参考文献
中枢性過眠症|国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部
ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン項目(目次)
当院における反復睡眠潜時検査(MSLT)の現状について
睡眠障害の症状:本多真|一般社団法人日本睡眠学会
しっかり寝ても眠い……これって過眠症?|社会福祉法人恩賜財団済生会

