山野しらす(@shirasu00mori)さんは、実体験や知人の体験をもとにした漫画をSNSで発表し続けている。2024年6月まで投稿されていた「私が放置子だった頃の話」もその一つで、子ども時代の環境を丁寧に描いたシリーズとして注目を集めている。今回は、主人公のしおりちゃんが宗教施設へ預けられたときの出来事を取り上げ、作者であり2児の母でもある山野しらすさんに母親の行動についての見解を聞いた。
※本作にはセンシティブな描写があります。閲覧にはご注意いただきたい。
■しおりちゃんが預けられた“宗教施設”での出来事



しおりちゃんは長期休暇のたびに友人宅を転々としていたが、次第に受け入れてもらえなくなり、母は彼女を宗教施設へ預けるようになる。初めて足を踏み入れたその場所は独特の空気に包まれており、しおりちゃんは緊張のまま席に着いたという。
食事のあと、施設の女性が「ほほえみ様の糧に感謝を」と両手を合わせて語りかけるなど、宗教色の強い儀式が続いた。しおりちゃんは祭壇の前でお経を唱え、洗脳のように感じるアニメを見せられるなど、慣れない時間を過ごすことになる。
夜、母が迎えにきた頃にはすっかり疲れ切っていたしおりちゃんは、「もう行きたくない」と訴える。しかし、母は施設の人が優しく、食事も無料でもらえる点を気に入っていたようで、娘の気持ちは伝わらないままだった。翌日もしおりちゃんは思いを飲み込み、再び施設へ連れて行かれてしまう。
■山野しらすさんが語る“あの時の母と子”
しおりちゃんが宗教施設で戸惑いを覚えた背景について、山野しらすさんは「幼い子どもにとって恐怖心が強かったはず」と語る。逃げ場も味方もいない状況で、言われるまま従うしかなかったであろう立場を思うと「健康面・精神面に影響が出ず本当によかった」と胸をなで下ろす。
また、施設に通わなくなった後、母親が娘にお金を渡して外で過ごすよう求めた行動には、強い違和感があるという。「事件や誘拐の危険性を考えれば、どうしてそんな判断ができたのか理解できない。同じ母として納得できない」。さらに父親が状況に気づけなかった点にも「どうして目を向けなかったのか」と怒りが湧いたと明かす。
本作は、母の不倫など大人の事情に巻き込まれ「放置子」となってしまった少女の視点から過去を描く。家庭環境に左右される子どもの脆さと、その中で必死に生きていた心情が丁寧に表現されている。ぜひ作品を通してその心情に触れてみてほしい。
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