「慢性リンパ性白血病の初期症状」は?進行した時の症状も医師が解説!

「慢性リンパ性白血病の初期症状」は?進行した時の症状も医師が解説!

進行した慢性リンパ性白血病の症状


病気が進行すると、徐々にさまざまな症状が現れ始めます。主な症状としては次のようなものがあります。

貧血症状(疲れやすさ、息切れ、めまいなど)

リンパ節の腫れ

お腹の上部や左脇腹が張る感じや圧迫感

食欲はあるのに体重が減る

発熱

夜間に大量の汗をかく

感染症にかかりやすい

ただし、個人差が大きく、症状の出方や重さは患者さんによって異なります。

慢性リンパ性白血病の検査と診断基準


慢性リンパ性白血病のような症状が出てきた場合、さまざまな検査を行い診断を確定します。本章では慢性リンパ性白血病で行われる検査と診断される基準について解説します。

慢性リンパ性白血病の検査方法

血液検査によって白血球数の増加やリンパ球の割合の上昇が認められた場合、さらに詳しい検査を行います。まず、採血した血液で末梢血塗抹標本を作製し、顕微鏡でリンパ球の形態を観察します。慢性リンパ性白血病では小型で成熟したリンパ球が多数みられます。

次に、リンパ球の表面マーカーを調べる免疫学的検査を行います。一般的にはフローサイトメトリー検査という方法で、血液中のリンパ球に特殊な試薬を反応させて細胞表面の抗原を分析します。慢性リンパ性白血病のリンパ球はCD5やCD23といった特徴的な表面抗原を持つため、これらが検出されれば診断に大きな手がかりとなります。

確定診断や病気の広がりを評価するために骨髄検査を行うこともあります。骨髄検査では局所麻酔下で骨髄穿刺・骨髄生検を実施します。骨髄中のリンパ球の増殖の程度や、ほかの血球の減少具合を把握することで、病気の進行度を評価できます。

さらに、慢性リンパ性白血病では治療方針を決めるために染色体検査が行われます。これは白血病細胞の染色体や遺伝子に特定の異常がないかを調べる検査です。慢性リンパ性白血病でよくみられる染色体欠失や特定の遺伝子変異が検出されれば、予後の見通しや適切な治療薬の選択に関する情報が得られます。例えば17番染色体のp53遺伝子の欠失がある場合は一部の薬剤が効きにくいため別の治療法を検討するといった判断に役立ちます。

その他、画像検査としてCTやPET-CTなどが行われることもあります。これはリンパ節の腫れ具合や肝臓・脾臓の大きさなど、病変の分布を全身的に評価するためです。

慢性リンパ性白血病の診断基準

慢性リンパ性白血病かどうかを判断する際には、国際的に確立された診断基準があります。特に、末梢血中に5,000/μL以上のBリンパ球が持続的に認められることが診断の重要な基準となります。この状態が3ヶ月以上続く場合、臨床的に慢性リンパ性白血病と診断されます。また、リンパ球数が5,000/μL未満でも、骨髄に腫瘍性のリンパ球浸潤があり、それによって赤血球や血小板の減少が生じている場合には慢性リンパ性白血病と診断されます。

診断にあたっては、ほかの類似疾患を除外することも重要です。例えば、マントル細胞リンパ腫や濾胞性リンパ腫といった類似したリンパ系腫瘍が存在しますが、これらは治療法や経過が異なるため鑑別が必要です。骨髄検査や免疫学的検査でそれらの特徴がみられないことを確認し、初めて慢性リンパ性白血病と確定診断されます。

配信元: Medical DOC

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