思春期早発症の治療
思春期早発症の治療では、大人になったときの低身長を避ける、本人が精神的苦痛を受けないことを目的に、思春期の進行を抑えます。
原因に応じて、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌抑制や病気に対する治療をおこないます。
特発性中枢性思春期早発症
特発性中枢性思春期早発症では、LH-RHアナログという薬を4週に1回注射して、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制し、性ホルモンの分泌を抑えます。
性ホルモンの分泌が抑えられることで、思春期の進行を緩徐にする効果があります。
LH-RHアナログは、副作用として1回目の注射後の5日目〜14日目に月経のような出血が認められることがあります。
治療が終わるまで投与のために月1回通院する必要がありますが、生活上で気をつけることはありません。
器質性中枢性思春期早発症
脳腫瘍が原因で起きている場合は、手術によって腫瘍を摘出します。
腫瘍の摘出が難しいケースでは、放射線治療や化学療法で腫瘍を小さくすることもあります。
脳炎の後遺症や水頭症、過誤腫(かごしゅ)の場合は、腫瘍によって脳が過度に圧迫されていなければ、手術よりLH-RHアナログによる薬物療法を優先します。
末梢性思春期早発症
副腎腫瘍や精巣腫瘍、卵巣腫瘍が原因の場合は、手術によって腫瘍を摘出します。
先天性副腎皮質過形成症の起きているケースでは、副腎皮質ホルモン治療をおこなうこともあります。
思春期早発症になりやすい人・予防の方法
思春期早発症になりやすい人や予防の方法はわかっていません。
しかし、早期発見と治療を心がけて、将来の発育に影響させないことが重要なので、症状が見られた場合ははやめに医療機関を受診するようにしてください。
関連する病気
中枢性思春期早発症
末梢性思春期早発症
特発性中枢性思春期早発症
器質性中枢性思春期早発症
脳腫瘍副腎腫瘍
精巣腫瘍卵巣腫瘍脳炎
水頭症
先天性副腎皮質過形成症
参考文献
一般社団法人日本小児内分泌学会思春期早発症
一般社団法人日本内分泌学会思春期早発症

