
今期の秋ドラマもおもしろいのがたくさんで、どれを見たらいいか迷いますが「ふたり」の関係性がおもしろいものを三つおすすめしてみます。
■ちょっとだけエスパー(テレビ朝日)
人生どん底の文太は「ノナマーレ」という会社に採用され、そこで飲んだカプセルで、触れた人の心の声を聞くことができる「エスパー」に。その力を使い、他の社員たちと「世界を救う」のが彼の仕事。
会社から社員寮と偽の妻・四季も用意されたが、なぜか彼女は文太のことを本当の夫だと思い込んでいる。四季の、自分への愛に溢れる心の声を聞いて動揺する文太だが、会社から「人を愛してはならない」と命令されていて……。
この設定なら楽しいラブコメになりそうなのに、回を重ねるたびに「不穏!」という文字が画面上に大きく上書きされていくみたいなドラマ。 文太には横領という過去があり、明るい同僚たちも実はそれぞれ重いものを背負っている。彼らとがんばってミッションを成功させ、これで世界は良くなった、と思った瞬間にすべてがひっくり返る。
新しい謎めいたキャラクターも加わったことで、ますます不穏の文字が重ねられている。どんなバッドエンドになってもおかしくないけれど、せめて四季さんのあの笑顔だけは、消えないでほしい。文太と四季さん、どうなるんでしょう。
■ぼくたちん家(日本テレビ)
心優しく、捨てられた動物をつい連れて帰ることを繰り返している、ゲイの波多野玄一。彼氏と別れて車上生活の作田索に出会い、家探しの世話を焼くうちに彼に恋をしてしまう。かと思えば、訳ありで一人暮らしの女子中学生・楠ほたるに、3000万円でニセの父親になってほしいと頼まれ、これまた引き受けてしまう。
情に厚すぎる彼の周りには困りごとを抱えた人たちが集まり、彼らの問題はどれもなかなか解決しそうにない。でも、ししゃもを焼いたり、歌を歌ったり、パフェを食べたりしながら、毎日をやり過ごす。
そんな様子を見ているうちに、私までなんだか「まあ、なんとかなるかもしれないな」と気持ちが少しだけ軽くなるのがありがたい、そんなドラマです。 玄一と索がとうとう両思いになって、ふたりの恋のゆくえも楽しみ。
■じゃあ、あんたが作ってみろよ(TBS)
「料理は女が作るもの」と思い込んでいる勝男。いつもおいしい筑前煮を作ってくれる理想の恋人・鮎美にプロポーズしたら「無理」と振られ、それをきっかけに料理を始めることに。しかし全然おいしく作れず、鮎美がどんなに努力して作ってくれていたのかを思い知り、後悔と鮎美への思いが募る。その頃鮎美は、勝男の好みに合わせていた見た目を変え、新しい恋人もできて……。
第1話では化石のようなナチュラル男尊女卑マンだった勝男。こんな男は最低で最悪、振られて当然だろうと思っていた。なのに、料理にハマっていく勝男は、いつのまにか素直でかわいい男に変身。誰かに依存してばかりだった鮎美も、新しい恋人に振られて、そこからまた一段階、自分らしく変身したような。
ふたりの目覚ましい成長ぶりに「別れて正解!」と思っていたのが嘘のように応援してしまう。こうなったら勝男と鮎美で、いっしょにご飯を作って食べる関係を再構築してもらいたいんだけれど、どうなるんだろうか。
それにしても竹内涼真さんと夏帆さんが魅力的、ふたりの代表作になりそうですね。

